2025.09.08

遺品整理と特殊清掃の違いとは?特殊清掃が必要な理由や費用相場をご紹介!

遺品整理と特殊清掃の違いとは?特殊清掃が必要な理由や費用相場をご紹介!

遺品整理と特殊清掃は、人が亡くなった後に直面する、精神的にも肉体的にも負担の大きい作業です。特に、故人の死因や発見までの時間によっては、通常の清掃では対処できない問題が発生し、専門的な知識と技術が求められる特殊清掃が必要となる場合があります。

本記事では、遺品整理と特殊清掃の違いから、それぞれの費用相場、安心して任せられる業者の選び方まで、知っておくべき重要なポイントを解説します。

監修者

遺品整理と特殊清掃の違いは?

遺品整理と特殊清掃の違いは?

遺品整理と特殊清掃は、どちらも故人の住まいを片付ける作業です。しかし、目的と内容には明確な違いがあります。

ここでは、それぞれの作業の具体的な内容と、特殊清掃が特に必要とされるケースについて詳しく解説しましょう。

1.遺品整理の目的と作業内容

遺品整理は、亡くなった方の持ち物である遺品を整理し、必要なものを保管・供養したり、不用品を処分したりする作業です。

具体的には、故人の思い出の品や貴重品、書類などを仕分けし、遺族の希望に応じて形見分けや供養、そして不用品の搬出・処分などを行います。遺品整理は、故人が生きた証を整理する大切なプロセスでもあります。

2.特殊清掃の目的と作業内容

特殊清掃は、一般的な清掃では対応できない特殊な汚れや臭いを専門的な技術と薬剤で除去する作業です。特に、孤独死や自殺などで遺体の発見が遅れた現場では、血液や体液が床や壁に染み込み、強烈な腐敗臭が発生します。

特殊清掃では、こうした汚染された箇所の除菌、消臭、害虫駆除などを行い、居住可能な状態にまで回復させるのを目的としています。

孤独死の現場で特殊清掃が必要な理由は3つ

孤独死の現場で特殊清掃が必要な理由は3つ

孤独死など遺体の発見が遅れた場合、その現場は通常の清掃では対応できない状態になっているケースがほとんどです。特殊清掃が必要となる主な理由は、以下の3つが挙げられます。

1.感染症のリスク

ご遺体から出た体液や血液は、さまざまな細菌やウイルスが含まれているため、感染症のリスクが非常に高い状態です。素人が防護服を着用せず、むやみに現場に立ち入ったり清掃を行ったりすると、感染症に罹患する危険性があります。

特に、免疫力が低下している方や、アレルギーを持っている方は注意が必要です。専門の特殊清掃業者は、防護服やマスクを着用し、専門の消毒剤を用いて現場を安全な状態に戻します。安全確保のためにも、専門家への依頼が必要です。

2.強烈な臭気の除去

腐敗が進んだご遺体からは、通常の清掃では取り除けない強烈な腐敗臭が発生し、建物の壁や床、家財にまで染みついてしまいます。この臭いは、単に芳香剤を置いただけでは消えず、生活できる状態に戻すのは困難です。

特殊清掃では、まず臭いの元となる汚染物質を徹底的に除去し、その後、オゾン脱臭機などの専用機器や特殊な薬剤を使用して、臭いの原因物質を根本から分解します。これにより、部屋の空気を完全にリフレッシュし、再び居住可能な状態へと回復させられるのです。

3.遺体による汚染部分の回復

ご遺体があった場所の床や畳には、体液や血液が深く染み込み、通常の清掃では完全に除去するのは不可能です。見た目をきれいにするだけでは、時間の経過とともに再び異臭が発生するリスクがあります。

特殊清掃では、汚染された床材や壁紙、畳などを剥がし、その下地材まで徹底的に洗浄・消毒する作業が含まれます。腐食や変質が激しい場合は、床材や壁紙の張り替えといったリフォームが必要です。

専門的な作業によって、汚染箇所を根本からきれいにし、再び安全に生活できる状態へと回復させる必要があります。

遺品整理や特殊清掃の費用相場と料金の内訳

遺品整理や特殊清掃の費用相場と料金の内訳

遺品整理と特殊清掃にかかる費用は、現場の状況によって大きく変動します。ここでは、それぞれの費用相場と、どのような要因が料金に影響するのかを解説します。

遺品整理の費用相場

遺品整理の費用は、お部屋の広さや遺品の量、作業員の人数、そしてトラックのサイズによって決まります。間取り別の一般的な相場は、以下の通りです。

  • 1R・1K:約3万円~8万円
  • 1DK:約5万円~15万円
  • 1LDK:約8万円~20万円
  • 2DK:約10万円~30万円
  • 2LDK:約15万円~40万円
  • 3LDK:約20万円~50万円

ただし、これはあくまで目安です。遺品が少なかったり、買い取り可能な品物が多かったりする場合は、費用が安くなる可能性もあります。

特殊清掃の費用相場

特殊清掃の費用は、主に「汚染状況」と「間取り」によって決まります。遺体の発見が遅れたり、汚染箇所が広範囲にわたったりする場合、費用は高額になる傾向です。

一般的な相場は、以下の通りです。

  • 1R・1K:約8万円~30万円
  • 1DK~3LDK:約20万円~40万円
  • 4LDK~:約30万円~60万円

上記の費用には、体液や血液の除去、消毒、消臭、残置物の撤去などが含まれます。しかし、畳の撤去やオゾン脱臭、リフォーム工事などが必要な場合は、追加費用が必要です。

なお、特殊清掃の費用相場については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:特殊清掃の費用相場はいくら?料金相場と安く抑える3つの方法をご紹介!

特殊清掃で費用が変動する要因

特殊清掃で費用が変動する要因

特殊清掃の費用は、以下の要因で大きく変動します。

  • 発見までの期間

遺体の発見が遅れるほど、体液や臭いが広範囲に染み込み、清掃や消臭に時間と手間がかかる

  • 現場の状況(汚染範囲)

汚染が床だけでなく、壁や天井、家具にまで及んでいる場合、作業が複雑化する

  • 臭気のレベル

臭いのレベルが非常に高い場合、強力な脱臭作業を複数回行う必要があり、その分費用も増加する

  • リフォームの有無

清掃だけでは原状回復が難しい場合、床材や壁紙の張り替えや解体工事などが発生し、費用が大幅に上がる

遺品整理や特殊清掃を依頼する際の業者選びのポイントは3つ

遺品整理や特殊清掃を依頼する際の業者選びのポイントは3つ

遺品整理や特殊清掃は、故人の尊厳を守り、遺族の心のケアにも配慮してくれるような信頼できる業者に依頼するのが大切です。ここでは、安心して任せられる業者を選ぶためのポイントを解説します。

1.専門資格や許可の有無

遺品整理や特殊清掃を依頼する際は、業者が適切な専門資格や許可を保有しているか確認するのが非常に重要です。遺品整理に関する知識や倫理観を持つ遺品整理士や、特殊清掃の専門技術を持つ事件現場特殊清掃士の資格は、信頼性の証となります。

また、遺品の不用品を適正に処分するためには、一般廃棄物収集運搬業や産業廃棄物収集運搬業の許可が、遺品の買取を行うには古物商許可が必要です。これらの許可や資格を持つ業者は、法令を遵守し、適切なサービスを提供している可能性が高いでしょう。

2.明確な見積書と作業内容

信頼できる業者は、作業前に現地調査を行い、明確な見積書を提示します。見積書には、作業員の人数、トラックのサイズ、必要な機材、作業内容(例:消臭・消毒作業、不用品の搬出・処分など)が具体的に記載されているのが一般的です。

追加料金が発生する可能性のある項目や、料金の内訳が細かく明記されているかを確認しましょう。見積もりが大雑把だったり「一式」などの不明瞭な記載が多かったりする場合は注意が必要です。

費用の透明性を確保している業者を選べば、後々のトラブルを防げるでしょう。

3.対応の丁寧さ

電話やメールでの問い合わせ時に、こちらの状況を親身に聞いてくれるか、不明な点について分かりやすく説明してくれるかなど、依頼前のコミュニケーションで信頼性を確認しましょう。特に遺品整理は、故人との大切な思い出に関わる作業です。

故人やご遺族の気持ちに寄り添い、丁寧に対応してくれる業者であれば、安心して依頼できるはずです。強引な営業をしたり、不誠実な対応をしたりする業者には注意が必要です。

遺品整理 特殊清掃でよくある3つの質問

遺品整理 特殊清掃でよくある3つの質問

遺品整理や特殊清掃を業者に依頼する際、多くの人が抱く疑問について、よくある質問を3つ紹介します。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

質問1.遺品整理は業者にすべて任せても大丈夫ですか?

遺品整理をすべて業者に任せるのには、抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、遺品整理は精神的にも肉体的にも大きな負担です。

プロの業者に依頼すると、必要なものを効率的に仕分けし、不用品の処分や供養まで一貫して任せられます。特に、遠方に住んでいる場合や、時間的な制約がある場合には、業者に依頼するメリットは大きいといえるでしょう。

質問2.特殊清掃とリフォームはどちらを先にすべきですか?

特殊清掃は、室内の汚染物質や臭気を除去する作業であり、リフォームは、清掃後の部屋を元の状態に戻すための工事です。必ず特殊清掃を先に行い、室内を衛生的にした上で、リフォーム業者に引き渡すという流れになります。

特殊清掃業者がリフォームまで一貫して対応している場合もあるため、事前に確認しておくとスムーズです。

質問3.孤独死の現場に親族が立ち入るのは危険ですか?

孤独死の現場には、遺体の体液や血液による汚染、そして感染症の原因となる細菌やウイルスが存在する可能性があります。さらに、強烈な腐敗臭による精神的なショックを受けるリスクも高いといえるでしょう。

そのため、特殊清掃業者の作業が完了し、安全が確保されるまでは、親族が安易に立ち入るのは避けるようにしてください。

まとめ

まとめ

遺品整理と特殊清掃は、故人の住まいを片付け、新しい一歩を踏み出すために欠かせない作業です。特に、特殊な状況下で発生する特殊清掃は、専門的な知識と技術を要するため、信頼できる業者選びが非常に重要となります。

本記事で解説した、サービス内容の違い、費用相場、業者選びのポイントを参考に、状況に合った適切な選択をしてください。故人の尊厳を守り、遺族の負担を軽減するためにも、専門家への相談をおすすめします。

監修者

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