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2026.01.31
孤独死の特殊清掃はどこまで?5つの作業範囲と選ぶポイント

身内や管理物件で起きた突然の事態に、孤独死で特殊清掃をどこまで業者に任せるべきか、どのタイミングで呼ぶのが正解かと悩まれている方もおられるのではないでしょうか。凄惨な現場を目の当たりにすると、何から手をつければ良いかわからなくなりますが、無理に自分たちで対処しようとするのは非常に危険です。
現場には目に見えないウイルスや強烈な死臭が充満しているため、初動から専門業者に任せることが安全で確実な選択となります。特殊清掃では、以下が一般的な作業範囲となります。
- 項目①体液や血液が浸透した汚染箇所の洗浄
- 項目②オゾン脱臭機を用いた空間の消臭作業
- 項目③大量発生した害虫の駆除と予防対策
- 項目④遺品整理と家財の処分代行
- 項目⑤リフォームによる建材の根本的な修復
この記事では、特殊清掃の一般的な作業範囲や、優良の業者を見つけるポイント、特殊作業を依頼するシーンについて網羅的に解説します。また、よくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

特殊清掃の一般的な作業範囲と5つの費用項目

特殊清掃でどこまで綺麗にしてもらえるのか、また費用は何に対して発生するのかを理解しておくと、業者との打ち合わせがスムーズになります。ここでは、一般的な特殊清掃の作業範囲を解説していきます。特殊清掃の作業範囲と費用目安を以下の表にまとめました。
◆特殊清掃の作業範囲と費用目安表
|
作業項目 |
内容の概要 |
費用目安(50音順) |
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遺品整理 |
家財の仕分け、不用品の搬出・処分、貴重品捜索 |
50,000円〜 |
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汚染箇所洗浄 |
体液や血液の除去、専門薬剤による床・壁の洗浄 |
50,000円〜 |
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害虫駆除 |
殺虫剤の散布、ハエやウジの駆除、死骸の回収 |
10,000円〜 |
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消臭作業 |
オゾン脱臭機による空間消臭、除菌剤の噴霧 |
30,000円〜 |
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リフォーム |
床板の張り替え、クロスの交換、消臭塗装の実施 |
200,000円〜 |
項目①体液や血液が浸透した汚染箇所の洗浄
遺体から漏れ出した体液や血液を完全に除去する作業は、特殊清掃において大切で基礎的な工程です。血液に含まれるタンパク質は時間の経過とともに凝固して建材に固着するため、市販の洗剤では到底太刀打ちできません。
専用の酵素洗剤を用いて汚れを分子レベルで分解して、目に見えない隙間まで徹底的に洗浄を施します。また、汚染が床下の基礎や壁の内部にまでおよんでいる場合は、建材を部分的に解体して直接洗浄を試みるケースもあります。
この段階でわずかでも成分が残ると、後に強烈な死臭が再発したり、病原菌が繁殖し続けたりする原因になりかねません。プロは医療現場でも使われる強力な除菌剤を併用して、視覚的にも衛生的にも完全にクリーンな状態を作り上げます。
項目②オゾン脱臭機を用いた空間の消臭作業
オゾン脱臭機は、酸素の同素体であるオゾンの強力な酸化力を利用して、空間に漂う臭気の原因物質を根本から破壊します。市販の芳香剤が臭いを別の香りで覆い隠すのとは対照的に、悪臭分子そのものを無臭の物質へと変化させる仕組みです。
孤独死特有の強烈な死臭は数千種類のガスが混じり合っているため、高度な技術が原状回復には欠かせません。作業中は高濃度のオゾンを室内に充満させるため、無人環境で数時間から数日間にわたって稼働を繰り返す場合が一般的です。
また、オゾンは気体であるため、壁紙の裏側や家具の細かな隙間にまで入り込み、拭き掃除では届かない場所まで清掃が進められます。
項目③大量発生した害虫の駆除と予防対策
遺体の発見が遅れた現場では、数日のうちにハエやウジといった害虫が爆発的に発生して、衛生環境を著しく悪化させます。これらの害虫は、死臭に引き寄せられて集まるだけでなく、感染症を媒介するリスクも孕んでいるため、決して放置してはなりません。
プロの業者は、市販品よりも強力な薬剤を用いて、目に見える個体から壁の隙間に潜む卵まで一掃する作業を行います。煙状の薬剤を空間に充満させたり、床下の狭い範囲に薬剤を直接散布したりして、繁殖の連鎖を完全に断ち切ります。
項目④遺品整理と家財の処分代行
孤独死の現場では、故人が大切にしていた家具や日用品の多くに死臭が染み付いており、そのまま使い続けるのは困難な場合が多いです。体液が直接付着した布団や衣類は、感染症対策のために専門の防護服を着用して、密閉した状態で搬出しなければなりません。
プロの業者は、汚染された家財を適切に梱包して運び出すため、搬出経路への臭い移りや近隣への配慮が徹底されています。また、遺品整理には法的な知識も必要であり、家電リサイクル法や自治体のゴミ分別のルールに則って正しく処分を進めなければなりません。優良な業者は、単に物を捨てるのではなく、現金や権利書、形見の品を丁寧に探し出し、遺族へ引き渡す作業も並行して行います。
なお、孤独死の遺品整理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:孤独死の遺品整理は危険?プロに依頼すべき3つの理由
項目⑤リフォームによる建材の根本的な修復
汚染が床材の深部や建物の基礎にまで達している場合、表面の清掃だけでは原状回復として不十分です。体液がコンクリートにまで染み込むと、夏場の気温上昇に伴って再び強烈な死臭が漂いはじめる事態を招きかねません。
このため、消臭塗装を施したり、クロスを全面張り替えたりして、視覚的にも衛生的にも新築に近い状態に近づけます。専門業者と連携して、どこまでの解体が必要かを冷静に見極めることが、将来的なトラブルを防ぐ最善の策となります。
なお、特殊清掃の費用相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:特殊清掃の費用相場はいくら?料金相場と安く抑える3つの方法をご紹介!
優良な特殊清掃の業者を選ぶ3つのポイント
緊急を要する現場だからこそ、焦って悪徳業者を選ばないように、信頼できるプロを見極めるためのポイントを知っておきましょう。
◆優良業者を見極めるポイント概要図

それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
ポイント①実績と資格の有無を必ず確認する
特殊清掃は特殊な薬剤や機材を扱うため、過去の施工件数や現場での経験がそのまま作業の質に直結します。業者のホームページを閲覧したり、電話で「事件現場特殊清掃士」などの専門資格を持ったスタッフがいるか尋ねたりしましょう。
実績豊富な業者は、自治体や公的機関のガイドラインに沿った適切な作業を行ってくれるため、安心して任せられます。
ポイント②詳細な見積書を提示する業者を選ぶ
見積書の項目が「作業一式」のように大雑把な業者ではなく、清掃や消臭、処分費などが細かく分類されているかを確認しましょう。どのような作業にいくらかかるのかが明確であれば、後から予期せぬ高額請求をされる心配を減らせます。
優良な業者は、必ず現場を確認してから、よごれの度合いや臭いのレベルに応じた適正な金額を提示してくれます。
ポイント③迅速かつ丁寧な電話対応を判断材料にする
孤独死の現場は一刻を争うため、こちらの問い合わせに対して素早く、親身に対応してくれるかが大切です。電話での言葉遣いや説明の分かりやすさをチェックしたり、こちらの不安な気持ちを汲み取ってくれたりする業者を選びましょう。
最初の接点となる電話対応が誠実な業者は、実際の現場作業においても責任感を持って最後までやり遂げてくれる傾向があります。
孤独死の特殊清掃が必要な5つの具体的なシーン

孤独死の現場状況は千差万別ですが、自力での清掃が困難になり、プロの介入が不可欠となる代表的な場面が存在します。どのような状況で特殊清掃が必要とされるのか、その具体的なケースを詳しく解説します。
シーン①遺体の腐敗により死臭や害虫が発生した場面
孤独死で遺体の発見が数日以上遅れると、腐敗によって強烈な死臭が発生して、ハエやウジといった害虫が大量に繁殖しはじめます。死臭は、一般的な消臭剤では太刀打ちできないほど強力であり、壁紙や建材の奥深くまで浸透してしまうため、専門的な脱臭技術が必要です。
現場の衛生環境は著しく悪化するため、近隣住民とのトラブルを避けるためにも、一刻も早いプロの介入を検討しなければなりません。
シーン②ゴミ屋敷化や排泄物により異臭が漂う場面
孤独死が発生した現場が、いわゆる「ゴミ屋敷」の状態であったり、ペットの排泄物が放置されていたりする場合も、特殊清掃が必要な場面です。積み重なった不用品は湿気を溜め込み、カビや細菌の温床となるため、単にゴミを運び出すだけでは衛生状態を回復させることは困難です。
排泄物から発生するアンモニア臭やメタンガスは、壁紙や下地にまで深く染み込み、深刻な異臭トラブルを引き起こす原因となります。こうした複雑な現場では、不用品の撤去と並行して、専門的な薬剤を用いた徹底的な消毒作業を行わなければなりません。
シーン③動物の多頭飼育崩壊が起きた凄惨な場面
動物の多頭飼育崩壊が起きた現場では、大量の排泄物や動物の死骸により、耐え難いほどの強烈なアンモニア臭が充満します。アンモニアは鼻を突く異臭だけでなく、高濃度になると人体に有害な影響をおよぼして、建物の構造材を腐食させる原因ともなります。
一般家庭用の洗剤では中和しきれないため、防護服を着用したプロによる強力な薬剤洗浄が不可欠な状況です。汚染された床材や壁紙を剥がすだけでなく、染み付いた臭いを分子レベルで分解しなければ、異臭の再発を防ぐことは難しいです。
シーン④感染症のクラスターが発生した汚染場面
新型コロナウイルスやノロウイルスなどの感染症クラスターが発生した現場では、目に見えないウイルスを完全に不活化させる高度な除菌技術が求められます。一般的な清掃では拭き残しが発生しやすく、生存期間の長いウイルスによる二次感染のリスクを完全に取り除くことは非常に困難です。
不特定多数が触れるドアノブやスイッチ類は、マイクロファイバークロスと専用薬剤を用いて、ウイルスを物理的に除去したり除菌を徹底したりします。プロに依頼すれば、施設利用者の安全を確保したり風評被害を防いだりするための迅速な復旧が実現できます。
シーン⑤火災や水害で自力での復旧が困難な場面
火災による煤や有害物質、水害による深刻なカビ被害は、建物の構造部分にまで致命的なダメージを与えてしまいます。水害後の床下などは、汚泥から発生する細菌による健康被害の恐れがあり、専門的な洗浄と乾燥、消毒の工程が欠かせません。
煤(すす)は非常に微細な粒子であり、一度付着すると通常の拭き掃除では完全に除去できず、呼吸器への影響も懸念されます。焦げ臭さやカビ臭も、特殊な技術で根絶しなければ物件の価値は回復しないため、プロの力が必要になります。
孤独死の特殊清掃はどこまででよくある3つの質問

孤独死の特殊清掃はどこまででよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
質問①自力で一部でも掃除をした方が安くなりますか?
結論から申し上げますと、自分での清掃は避けるべきです。専門知識がないまま不用意に立ち入ると、遺体から発生した細菌やウイルスによる感染症のリスクが非常に高くなります。
また、市販の消臭剤を使用すると、死臭と香料が混ざり合ってさらに不快な臭いへと変化したり、建材に臭いが定着したりする場合があります。この場合、あとから業者が入る際の作業工程が増えてしまい、結果として追加費用が発生して、トータルの支払額が高くなるケースも少なくありません。
無理をせずはじめからプロに任せることが、精神的な負担を軽減して、最終的なコストを安く抑えるための賢い選択肢です。
なお、孤独死の特殊清掃で後悔しないためのステップについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが解説】孤独死の特殊清掃で後悔しないためのステップ
質問②特殊清掃とハウスクリーニングの違いは何ですか?
ハウスクリーニングは、日常的な生活汚れや水垢、換気扇の油よごれなどを取り除き、視覚的な美しさを整えることを主目的とした清掃サービスです。一方で、特殊清掃は遺体から発生した体液や血液、死臭といった「バイオハザード(生物学的危害)」を根絶することを目的としています。
使用する薬剤や機材の専門性が根本から異なり、特殊清掃では医療現場レベルの強力な除菌剤や高濃度オゾン脱臭機が必須となります。家事代行や一般的な清掃業者では、孤独死現場の感染症リスクに対応するための高度な防護装備や専門的な知識が不足している場合が多いです。
質問③近隣の人に知られずに作業を終えることは可能ですか?
優良業者は、ご依頼主様のプライバシーを最優先に考え、周囲に配慮した隠密性の高い作業を徹底している場合が多いです。スタッフがロゴのない私服で訪問したり、社名の入っていない一般車両を使用したりして工夫を凝らしています。
家財を運び出す際も、中身の見えない梱包材で厳重に密閉して、臭いや視覚的な刺激を完全に遮断できます。近隣住民との良好な関係を守りながら心の整理をつけるためにも、周囲への配慮を徹底しているプロへ早めに相談をしましょう。
信頼できるプロに任せて安心の空間を取り戻そう!

孤独死の特殊清掃はどこまで必要かという悩みは、信頼できる業者を見つけることができれば、必ず解決へと向かいます。1人で抱え込みがちな深刻な現場の問題も、専門技術を活用すれば、再び人が住める清潔な空間へと蘇らせられます。
特殊清掃の業者選びで失敗しないために、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- ポイント①実績と資格の有無を必ず確認する
- ポイント②詳細な見積書を提示する業者を選ぶ
- ポイント③迅速かつ丁寧な電話対応を判断材料にする
業者選びに迷ったときは、無理に一社に絞らず、複数の会社に状況を伝えて比較してみたり、無料の見積もりサービスを利用したりしてください。早めの対応が物件の価値を守り、結果としてトータルの出費を抑えることにつながります。

