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2024.12.30
マンション売却で税金がかからないケースとは?譲渡所得税以外にかかる税金を徹底解説!
マンションを売却する際に、税金について気になる方もおられるのではないでしょうか。売却時にはさまざまな税金がかかりますが、譲渡所得税については条件によってはかからないケースがあります。
本記事では、マンション売却で税金がかからないケースや譲渡所得税以外にかかる税金をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マンション売却で税金(譲渡所得税)がかからないケースとは?
まず、マンション売却で税金(譲渡所得税)がかからないケースについて紹介します。
- 利益が発生しなかった場合
- 特例や控除を活用した場合
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
利益が発生しなかった場合
譲渡所得税は、売却価格から購入時の費用(取得費)や売却に伴う諸経費(譲渡費用)を差し引いた利益に対して課されます。このため、売却価格が購入価格を下回る場合や、経費を差し引いた結果利益が発生しない場合は、譲渡所得税は発生しません。
売却前には、取得費や譲渡費用を正確に計算して、税負担の可能性を把握する必要があります。利益の有無を確認すれば、売却計画や納税準備を適切に進められます。
特例や控除を活用した場合
マンションを売却した際に利益が出ても、特定の条件を満たせば、特例や控除を利用して、課税対象を減らせます。たとえば、3,000万円の特別控除や軽減税率の特例、居住用財産の買換え特例などが代表的です。
これらの特例は、適用条件を満たしていれば利益から控除額を差し引き、最終的な課税額をゼロにできます。しかし、特例を利用する場合は、必ず確定申告をして、条件を満たしているという証明ができる書類を提出しなければなりません。
このため、不動産会社や税務の専門家と相談しながら、適用可能な特例を確認しましょう。
マンション売却で譲渡所得税以外にかかる税金の種類は3つ
次に、マンション売却で譲渡所得税以外にかかる税金の種類について解説します。
- 印紙税
- 登録免許税
- 消費税
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.印紙税
マンションの売買契約書に関連する印紙税は、契約書の売却価格にもとづいて課税される税金です。不動産売買契約書に収入印紙を貼付して、消印すると納税が完了します。
この印紙税額は契約金額に応じて異なり、2024年3月31日までに作成された契約書には軽減措置が適用される場合があります。なお、印紙税の詳細は、以下のとおりです。
契約金額 |
本則税率 |
軽減措置適用後の税額 |
10万円超え50万円以下 |
400円 |
200円 |
50万円超え100万円以下 |
1,000円 |
500円 |
100万円超え500万円以下 |
2,000円 |
1,000円 |
500万円超え1,000万円以下 |
10,000円 |
5,000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 |
20,000円 |
10,000円 |
5,000万円超え1億円以下 |
60,000円 |
30,000円 |
印紙の貼り忘れや、消印を怠ると過怠税が課され、本来の税額より高い負担となるため注意が必要です。印紙は、事前に郵便局や役所で購入して、契約日までに準備しておきましょう。
2.登録免許税
登録免許税は、主に「抵当権抹消登記」や「住所変更登記」の手続きの際に課されます。抵当権抹消登記は、住宅ローンを完済して抵当権を解除するために必要な手続きで、ひとつの不動産につき1,000円の登録免許税がかかります。
たとえば、マンションが土地と建物に分かれている場合、合計で2,000円が必要です。また、住所変更登記も同様の計算方法が適用されますが、登記上の住所が現住所と一致している場合には不要となります。
抵当権抹消登記を自身で行うことも可能ですが、引き渡し日に売買代金で住宅ローンを完済する場合は、司法書士に手続きを依頼するのが一般的です。司法書士への報酬は2〜3万円が相場とされています。
3.消費税
仲介手数料は不動産会社への成功報酬として支払うもので、売却価格に応じて計算されます。具体的には、売却価格が400万円を超える場合、手数料は「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額です。
一方、売却価格に対して消費税が直接課されるのは、事業者が事業として不動産を売却する場合のみです。個人が自宅として所有するマンションを売却する際は消費税はかかりませんが、賃貸用や投資用のマンションを事業として譲渡する場合は課税対象となります。
しかし、土地部分は消費税が非課税であるため、建物部分のみに消費税が適用されます。事前にこれらの費用を確認して、計画を立てておきましょう。
なお、不動産売却で消費税の課税対象になるものについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:不動産売却で消費税の課税対象になるものとは?消費税の計算方法や注意点まで徹底解説!
マンション売却で活用できる主な特例や控除は3つ
次に、マンション売却で活用できる主な特例や控除について解説します。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換えの特例
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.居住用財産の3,000万円特別控除
居住用財産を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。これは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と呼ばれ、主にマイホームの売却時に利用可能です。
この特例は、現在居住していない場合でも、最後に住んでいた日から3年目の年末までに売却すれば適用されます。たとえば、売却利益が3,000万円以下なら、譲渡所得税は発生しません。
また、特例の利用には、売却の前年や前々年に同様の特例を適用していないことが条件です。また、この制度を活用するためには翌年に確定申告をしなければなりません。申告を忘れると控除が適用されないため、計画的な準備が大切です。
2.軽減税率の特例
マンションを10年以上所有している場合、譲渡所得に軽減税率を適用できる特例があります。この特例では、課税譲渡所得が6,000万円以下の部分には14.21%、6,000万円を超える部分には20.315%の税率が適用されます。
また、居住用財産の3,000万円の特別控除との併用ができ、税負担の軽減も可能です。この制度を利用するには、以下の条件を満たさなければなりません。
- 売却する物件が居住用である
- 特殊関係者への売却ではない
- 売却時点で所有期間が10年を超えている
- 売却した年から前々年までの間に、特定の特例を適用されていない
軽減税率の特例を活用すれば、節税効果を得られるため、適用条件を満たしているか確認して、確定申告を通じて申請をしましょう。
3.特定の居住用財産の買換えの特例
特定の居住用財産の買換え特例は、所有期間が10年以上のマンションを売却して住み替えをする際に適用できる制度です。この特例を活用すると、売却時に得た譲渡所得税の納付を、住み替え先の物件を売却する時点まで繰り延べられます。
しかし、これは税金が免除されるわけではなく、後日課税されるため注意が必要です。この特例を利用するには、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 売却価格が1億円以下である
- 売却した不動産の所有期間が売却した年の1月1日現在において10年を超えている
- 住み替え先の物件が一定の面積基準を満たしている
- 売却した年から前々年までの間に、特定の特例を適用されていない
マンション売却における節税ポイントは3つ
次に、マンション売却における節税ポイントについて解説します。
- 所有期間が5年を超えてから売却する
- 取得費を正確に計上する
- ふるさと納税を活用する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.所有期間が5年を超えてから売却する
譲渡所得税は、売却する年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合、長期譲渡所得として適用され、税率が20.315%となります。一方、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、39.63%の税率が課されます。
これにより、所有期間が5年を超えることで約19%の税率差が生じ、税負担を大幅に軽減が可能です。所有期間の条件を満たすタイミングを見極めれば、より有利にマンションを売却できます。売却時期の調整が可能であれば、所有期間を考慮した計画的な売却を検討しましょう。
2.取得費を正確に計上する
取得費とは、物件購入時の価格だけでなく、仲介手数料や登記費用、購入時に支払った消費税なども含まれます。これらの費用を正確に記録し反映させると、譲渡所得が過大計上されるのを防ぎ、税負担を軽減できます。
このため、過去の領収書や契約書を確認して、不足がないか確認しましょう。また、取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算として計上できますが、実際の取得費がそれを超える場合は正確に計上する方が節税効果が高まります。
3.ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は、地方自治体への寄付を通じて所得税や住民税の控除を受けられる制度で、寄付額に応じて返礼品も受け取れる点が特徴です。売却による所得が増えた年は、控除の上限額も引き上げられるため、普段以上の寄付ができます。
これにより、節税効果だけでなく、地域の支援にも貢献できます。また、具体的な控除額や申請手続きについては、税理士や会計士に相談して、確定申告を通じて適切に申請しなければなりません。
マンション売却 税金かからないでよくある3つの質問
最後に、マンション売却 税金かからないでよくある質問について紹介します。
- 質問1.マンション売却の税金に関する注意点とは?
- 質問2.特例や控除は住宅ローン控除と併用できる?
- 質問3.マンション売却の税金はいつ払うの?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.マンション売却の税金に関する注意点とは?
マンションを売却した場合、売却した年の翌年2月〜3月に確定申告をしなければなりません。特別控除を利用する場合や損益が発生した場合でも、確定申告をすれば税制上の特例措置を適用できる可能性があります。
特例措置を受ければ、納税額を抑えたり、損失を繰り越して翌年以降の所得と相殺したりできます。また、特別控除を適用するためには確定申告が必須であり、申告を怠ると控除を受けられなくなるため注意が必要です。
利益が出ていない場合でも、特例措置を活用できるケースがあるため、譲渡益の有無にかかわらず確定申告をおすすめします。制度を正しく理解して、適切な手続きを進めましょう。
質問2.特例や控除は住宅ローン控除と併用できる?
マンションを売却して新しい家を購入する際には、特例や控除の選択が大切です。「3,000万円の特別控除」と「住宅ローン控除」は併用できないため、どちらを活用するかを慎重に判断しなければなりません。
特別控除は、譲渡所得を大幅に減らして、売却時の税負担を軽減する効果があります。一方、住宅ローン控除は新たに購入した住宅のローン残高に応じて最大13年間、所得税の負担を軽減します。
どちらを選ぶべきかは譲渡所得や新しい住宅のローン金額、個々の経済状況によって異なります。このため、信頼できる不動産会社や税理士に相談して、自分に最適な節税方法を選びましょう。
質問3.マンション売却の税金はいつ払うの?
マンション売却に関する税金の納付時期は、以下のとおりです。
- 譲渡所得税
売却翌年の2月16日~3月15日までに確定申告をして、納付する
- 住民税
翌年の6月以降、給与所得者の場合は給与から天引きされ、非給与所得者の場合は納付書が自宅に送付される
- 印紙税
売買契約時に収入印紙を購入して、納付する
- 登録免許税
住宅ローンの決済時に司法書士を通じて支払う
これらの税金を適切に納付すれば、売却手続きがスムーズに進むとともに、トラブルを防げます。必要に応じて税理士や専門家の助言を受けながら、余裕を持った準備を進めましょう。
まとめ
本記事では、マンション売却で税金がかからないケースや譲渡所得税以外にかかる税金をご紹介しました。
マンション売却時に、売却価格が購入価格を下回ったり、経費を差し引いた結果利益が発生しなかったりする場合や、特例や控除を活用する場合は、譲渡所得税がかかりません。
しかし、印紙税や登録免許税、消費税は別途かかるため、注意が必要です。登録免許税は、主に「抵当権抹消登記」や「住所変更登記」の手続きの際に課されます。
また、売却の際には、「居住用財産の3,000万円特別控除」「軽減税率の特例」「特定の居住用財産の買換え特例」などを活用すれば、税負担を大幅に軽減できます。これらを利用する場合は、特定の条件を満たす必要があるため、事前に確認しておきましょう。
節税ポイントとして、所有期間が5年を超えてから売却し、仲介手数料や登記費用、購入時に支払った消費税などの取得費を正確に計上すれば、税負担を軽減できます。さらに、ふるさと納税を活用して、地方自治体への寄付を通じて所得税や住民税の控除を受けるのもおすすめです。
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