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2025.06.01
地積測量図の取得方法は3パターン|地積測量図が必要な場面や見方を詳しくご紹介!
土地の売買や相続、境界確定など不動産取引において、地積測量図は非常に重要な書類です。本記事では、地積測量図とは何か、必要な場面、記載内容の見方から、最も知りたい取得方法までを詳しく解説します。
地積測量図の取得方法を紹介するほか、現況測量図や確定測量図との違いなどもお伝えしました。土地の正確な情報を知るために欠かせない地積測量図の取得方法をマスターして、安心・確実な不動産取引を実現しましょう。
地積測量図とは?
地積測量図は、土地の形や面積、境界の位置などを詳細に示した図面で、不動産登記において重要な役割を果たします。地積測量図は、分筆登記や地積更正登記、土地表題登記といった特定の手続きの際に作成され、正確な測量結果に基づいて作図されます。
不動産登記令第2条3号において法的に定義されており、正式な手続きに準じて作成された図面として、信頼性が高いのが特徴です。地積測量図は法務局に保管されており、対象の土地の所在地を所管する法務局で誰でも閲覧や取得が可能です。
関連記事:土地の分筆登記とは?メリット・デメリットや分筆登記の流れを詳しく解説します! | ビリーフ株式会社
地積測量図が必要な場面
土地の売却や相続を円滑に進めるには、地積測量図や確定測量図の準備が欠かせません。売買時には、境界の不確定がトラブルの原因となるため、隣地所有者との立会いによる境界確認が求められる場合もあります。
また、相続によって土地を取得した場合、相続税申告までの短い期限内に測量図や関連書類を整える必要があります。これらの図面がないと手続きが滞る可能性があるため、早めに土地家屋調査士へ相談するのが重要です。
関連記事:土地の「買取」と「仲介」の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します! | ビリーフ株式会社
地積測量図の記載内容と見方
地積測量図には、土地の形状や面積を明確にするための多くの情報が盛り込まれています。主な構成要素には、所在地や地番、作成日、縮尺などの基本情報に加え、土地の面積を算出する求積表、測量時に基準とした点を示す基準点表・引照点表があります。
また、図面部分は各辺の距離や方位、隣接地との関係、境界標の有無などが詳細に記されたものです。サンプル図面は法務局のサイトで確認できるため、理解の助けになるでしょう。
地積測量図の取得方法は3パターン
地積測量図は、複数の方法で入手できます。取得方法によって手間や時間、費用が異なるため、状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
ここでは、地積測量図を取得する3つの代表的な方法を紹介します。
1.法務局で取得する
地積測量図は、現在では全国どこの法務局でも取得可能となっており、物件所在地の法務局に行かなくても手続きができます。申請の際は、申請書に土地の地番など必要な情報を記入し、450円分の収入印紙を添えて窓口に提出してください。
印紙は法務局内で購入可能です。なお、地番や家屋番号が不明な場合は、ブルーマップを使って調べたり、職員に確認したりするのも可能です。受付時間は平日8時30分から17時15分までとなっています。
2.インターネットで申請して法務局で受け取る
地積測量図はオンラインでも請求可能で、平日21時まで手続きできる点が忙しい方にとって便利です。「登記ねっと 供託ねっと」を通じて申請し、手数料をインターネットバンキングで支払えば、後日法務局で受け取れます。
申請には地番の入力が必要で、窓口申請よりも手数料が低く抑えられるのも利点です。申請者IDがなくても登録して利用できるため、初めてでもスムーズに進められる仕組みが整っています。
参考:法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
3.インターネットで申請して郵送してもらう
地積測量図を郵送で受け取りたい場合は、インターネット上で申請し、交付方法として「郵送」を選ぶだけで完了します。手続きの大部分は窓口受取時と同様で、「登記・供託オンライン申請システム」から申請後、郵送種別と送付先を入力し、インターネットバンキングで手数料を納付してください。
自宅で受け取れるため、法務局に出向く必要がないのが大きな利点です。郵送を利用する際の手数料は一筆あたり450円です。
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地積測量図 取得でよくある3つの質問
ここからは、地積測量図の取得に関してよく寄せられる3つの質問について詳しく解説します。土地の正確な情報を把握するために、疑問点を理解しておくのは非常に重要です。
不動産取引をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
質問1.現況測量図や確定測量図との違いは?
測量図には複数の種類があり、目的に応じて使い分けなければなりません。地積測量図は法務局で取得できる公的な図面で、一定の精度があり売買や相続などで利用されます。
まとめると、以下のとおりです。
項目 |
特徴 |
現況測量図 |
・現状の地形や地物の位置関係を測量し図面化したもの ・境界の確定作業は行われていない ・正確な土地の範囲を示すものではない |
確定測量図 |
・土地の境界が確定された後に作成される測量図 ・隣接する土地所有者との合意に基づく ・法的に認められた土地の範囲を示す |
一方、現況測量図と確定測量図は、土地家屋調査士が個別に作成するもので、依頼者が費用を負担します。確定測量図は隣地所有者の立ち会いのもとで境界を確定しており、信頼性が高く売買にも対応可能です。
それぞれの違いは以下のとおりです。
測量図の種類 |
目的・用途 |
法的効力 |
特徴 |
作成者 |
確定測量図 |
土地の境界を確定するため |
法的に境界が確定された証明となる |
• 隣接地所有者の立会いと合意あり • 境界標の設置位置が明示 • 高い精度で測量 |
土地家屋調査士など資格を持つ専門家 |
現況測量図 |
現在の土地の状態を把握するため |
法的な境界確定の効力はない |
• 現在の土地の形状や建物位置を表示 • 境界の合意は必ずしも得ていない |
測量士、建築士など |
地積測量図 |
登記のための面積算定 |
登記手続きに使用 |
• 土地の面積を算出 • 法務局に提出される |
土地家屋調査士 |
用途や必要精度に応じて適切な測量図を選ぶのが重要です。
質問2.地積測量図がない場合はどうすればいい?
地積測量図が法務局に存在しない、または内容が古く正確性に欠ける場合には、土地家屋調査士に依頼して新たに作成してください。土地家屋調査士は、不動産の表示登記に関する専門資格を持つ国家資格者で、測量や境界確認の手続きを行う役割を担っています。
新たな地積測量図を作成する際は、隣接地の所有者や自治体の立ち会いが求められ、完了までには3〜4ヶ月程度かかるのが一般的です。
早めの相談がスムーズな対応につながります。
質問3.地積測量図を確認するときのポイントは?
地積測量図を確認する際は、まず作成年を確認するのが重要です。古い図面、特に測量技術や制度が整っていなかった時期に作成されたものは、現況と差異がある場合があります。
また、図面に含まれる情報の記載基準も時代により異なり、座標値の有無などはその一例です。正確な内容を把握するためには、作成当時の基準や測量方法にも注目しましょう。
図面は項目ごとに整理されているため、焦らず一つひとつ丁寧に確認するのが大切です。
まとめ
地積測量図は土地の面積や形状を正確に示す重要な公的書類です。土地の売買や相続時に必要となり、法務局で簡単に取得できます。
土地取引を安全に進めるためには、地積測量図の内容をしっかり確認し、必要に応じて専門家への相談がおすすめです。境界が明確になっていれば、将来的な境界トラブルを防ぎ、安心して不動産取引を進められるでしょう。
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