2024.03.25

【プロが教える】空き家の定義とは?所有し続けるリスクや解決策、よくある質問まで解説!

【プロが教える】空き家の定義とは?所有し続けるリスクや解決策、よくある質問まで解説!

日本では高齢化が進むにつれて空き家問題が深刻化しています。しかし、空き家の定義や対処法について詳しく理解している人は少ないでしょう。

そこでこの記事では、空き家の定義や所有し続けるリスク、その解決策について紹介します。空き家に関してお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

監修者

空き家の定義とは?

空き家の定義とは?

空き家とは、一般的に所有者が居住せず使われていない住宅のことです。しかし、法律的な定義はもう少し細かく区分けされています。

「空き家対策特別措置法」では、使用されていない住宅だけでなく、その状態や環境によって「特定空き家」と定義づけています。これは、建築物の老朽化や管理が行き届いておらず、近隣の風景や生活環境に影響を及ぼす可能性がある住宅を指します。

このように、空き家と一口に言っても、その状況や法的な位置づけは多様です。

空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法とは、国が2015年に施行した法律で、急増する空き家問題に対する対策を推進するためのものです。この中で「空き家」とは、「使用されていない家屋及びその敷地」、「使用されていないことが明らかな家屋及びその敷地」を指すと定義されています。

「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

引用:空家等対策の推進に関する特別措置法

この法律では、空き家が近隣に与える影響を最小限に抑えるために、自治体が積極的に関与することを可能にしています。具体的には、自治体が所有者不明の空き家について、危険性が高まった場合には立ち入り調査や緊急的な安全確保措置をとることができるのです。

特定空き家とは

特定空き家とは、病院や市役所などの公的機関が「管理が適切でない空き家」として指定した物件のことを指します。具体的には、以下のような状況にある物件が「特定空き家」に指定されることが一般的です。

  • 長期間使用されていない
  • 建物が老朽化して危険な状態にある
  • 所有者が不在で管理が行き届いていない

特定空き家に指定されると、所有者には改善命令が出され、改善が見られない場合には罰則が科せられることがあります。また、自治体によっては、特定空き家を強制的に解体することも可能です。

空き家を所有し続けるリスクは5つ

空き家を所有し続けるリスクは5つ

空き家を所有し続けていると思わぬリスクが生じます。主に次の5つが考えられます。

  • 近隣トラブルの原因になる
  • 犯罪に利用されやすい
  • 倒壊する危険性がある
  • 維持費がかかる
  • 罰則が適用されることがある

項目ごとに詳しくみていきましょう。

1.近隣トラブルの原因になる

未管理の空き家は草木が繁茂し、虫や害獣の発生源となることがあります。また、建物は風雨にさらされて傷み、外観が劣化することで近隣の景観を損ないます。

これらの問題は、時間が経つにつれてより深刻化し、近隣トラブルの原因になる可能性があるのです。

2.犯罪に利用されやすい

空き家は、犯罪の温床となる可能性があります。たとえば、不法侵入や窃盗、薬物取引の現場として利用されるケースが挙げられます。さらには、放火の対象となる場合も少なくありません。

このような犯罪は、空き家が管理されていないために起こります。管理者が不在であることから、目立たずに犯罪行為を行えるのです。

そのため、空き家を所有する際は定期的な管理や監視が必須となります。

3.倒壊する危険性がある

空き家は年数とともに老朽化し、倒壊する危険性が高まります。特に、日本の多湿な気候や台風、地震といった自然災害は建物の耐久性を著しく低下させるのです。

また、放置された空き家は、定期的なメンテナンスや修繕がなされないため、通常よりも早く劣化や破損が進みます。老朽化が進んだ空き家は、適切な処置を怠ると人命に関わる事故を引き起こす可能性がある点に注意が必要です。

4.維持費がかかる

空き家とはいえ、所有物件である以上、一定の維持費は必要です。

固定資産税や都市計画税などの各種税金がかかります。特に固定資産税は、物件の価値に比例して課税されるため、大きな負担となることもあります。

また、自然災害や経年劣化による破損などに対応するための修繕費も必要です。たとえば、建物の屋根が崩れれば、その修復には相応の費用が発生します。さらに、防草対策やゴミ処理などの清掃費用も考慮する必要があります。

これらの維持費は、所有者が負担しなければならず、空き家を放置していると、これらの費用が積み重なっていくことになります。

5.罰則が適用されることがある

所有者が適切に管理しない空き家は、公共の安全や美観を損なう可能性があります。2015年の空き家対策特別措置法の施行により、自治体は所有者に対して改善命令を出すことが可能となりました。

この改善命令に従わない場合、最大で50万円の罰金が課せられます。

現地調査や改善命令への対応などによる手間と、罰金が科せられるリスクを考えれば、所有者にとって空き家は無用の長物となります。これらのリスクを避けるためには、適切な空き家対策が必要となります。

空き家リスクを解決する4つの方法

空き家リスクを解決する4つの方法

空き家リスクを解消するには、主に次の4つが挙げられます。

  • 売却する
  • 譲渡する
  • 取り壊して更地にする
  • リフォームして活用する

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

1.売却する

空き家リスクを解決する方法のひとつは、売却です。売却によって、空き家の維持費や倒壊リスクなどから解放されるだけでなく、資産としての価値も手に入れることができます。

しかし、売却するには適切な価格設定や契約条件、また販売時期の見極めが必要です。これらを自己判断で行うのは難しいため、不動産業者に相談することをおすすめします。

また、売却先としては個人だけでなく、不動産会社や自治体なども検討するとよいでしょう。

2.譲渡する

譲渡とは、空き家の所有権を他人に移すことを指します。この方法は、自身が所有管理の負担を軽減したい場合や、相続などにより所有者が変わる場合に適した選択肢です。

しかし、一方で譲渡も難しい面を持っています。その一つが固定資産税です。

譲渡先が見つかったとしても、相手が固定資産税の負担に消極的であれば、譲渡は難しくなります。また、建物の状態が悪い場合、譲渡する際の売却価格設定も難題となりやすいです。

3.取り壊して更地にする

取り壊して更地にするのも選択肢です。取り壊しには費用が必要ですが、建物がなくなることで資産価値が下がり、固定資産税が軽減されます。

また、ブロック塀など危険な部分だけを撤去する部分解体という手もあります。

4.リフォームして活用する

空き家リスクを解消する手段として、リフォームして活用する方法があります。この手法は、空き家を新たな価値ある資産へと生まれ変わらせることが可能です。

構造的な安全性や老朽化状況をチェックし、リフォームに適しているか確認しましょう。

なお、リフォーム後は、定期的なメンテナンスも重要です。これにより長期的な使用を可能にし、再び空き家となるリスクを防ぎます。

空き家の定義でよくある3つの質問

空き家の定義でよくある3つの質問

最後に、空き家の定義でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.空き家と判断される基準は?
  • 質問2.空き家はどのように管理すればいい?
  • 質問3.空き家を放置しないためには?

それぞれ詳しくみていきましょう。

質問1.空き家と判断される基準は?

空き家の定義については、日本では「空き家対策の特別措置法」により定められています。一般的な基準として次の3つがあります。

  • 1年以上使用されていないこと
  • 修繕が必要な状態であること
  • 安全管理が不十分な状態であること

これらすべてに該当する物件は、「特定空き家」とされ、対策が必要です。

質問2.空き家はどのように管理すればいい?

空き家の管理は、所有者自身が責任を持って適切に行うべきです。具体的には次のとおりです。

維持・管理:空き家の設備や構造が適切に維持されていることを確認し、必要であれば修繕を行います。また、雑草の処理などの外観の手入れも重要です。

安全確保:不法侵入や火災などの事故防止のため、鍵の施錠、窓ガラスの確認、周辺の状況把握を定期的に行います。

犯罪防止:警察や近隣住民と連携し、不審者や不審行動が無いかを確認します。

遠方に住んでいて管理が難しい場合などは、専門の管理会社に依頼するのもおすすめです。

質問3.空き家を放置しないためには?

空き家問題を未然に防ぐためには、具体的な対策を事前に計画し、実行に移すことが重要です。空き家を「売る」「貸す」「活用する」「解体する」などの選択肢を検討し、それぞれに適した手段やサービスを利用することが推奨されます。

なお、空き家となる原因には相続も関係しています。家族間で将来的な家の利用計画について事前に話し合うことが大切です。

親から子への思いや希望を明確に伝え、相続が発生した際にどのように家を扱うか、売却、賃貸、活用、または解体のいずれにするかを決定しておくことで、空き家を放置するリスクを減らすことができます。

まとめ

まとめ

空き家と定義されるのは、1年以上誰も居住していない、または使用されていない建物のことを指します。全国で空き家数が増加する中、これらの建物の管理は地域の景観、安全、防犯といった面で極めて重要です。

特に、倒壊のリスクや景観・衛生上の問題を引き起こす可能性がある空き家は、特定空き家として自治体から修繕や解体を命じられるケースもあります。自治体からの行政指導を受けないためにも、空き家の状況をしっかりと把握し、適切に管理しましょう。

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