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2024.09.23
住宅ローンの借り入れで設定される抵当権とは?必要な書類や費用、抹消方法まで徹底解説!
住宅ローンを利用して不動産を取得する場合、抵当権登記が必要ですが、この登記の必要性や抹消手続きについて理解している方は少ないのではないでしょうか。また、抵当権の実行により起こる問題についても、どのようなリスクがあるか知っている方は少ない傾向です。
本記事では、抵当権の概要や抵当権の実行により起こる問題について解説します。また、抵当権付きの不動産の売却や相続の方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンの借り入れで設定される抵当権とは?
抵当権とは、住宅ローンなどの債務が返済されない場合に、金融機関が不動産を売却して債権を回収するために設定される権利です。債権者が住宅ローンの担保として設定し、債務者が返済不能となった際に競売などで優先的に弁済を受けられます。
抵当権は、登記簿に記載されるため、誰でも確認が可能です。また、根抵当権という形式もあり、企業が資金調達のために設定する場合が多く、限度額内で融資と返済が繰り返される仕組みをいいます。
抵当権が設定されるタイミング
抵当権は、住宅ローンの際に金融機関が貸付の担保として設定する権利です。この権利は、融資が実行されるタイミングで設定され、一般的には司法書士に依頼して手続きします。
抵当権の設定には専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼する場合がほとんどです。依頼には手数料がかかり、また登記にかかる税金などの費用も別途発生します。
抵当権の設定に必要な書類
抵当権の設定に関して、必要な書類は多岐にわたります。手続きに関しては、金融機関が提示する指示に基づいて進めるのが一般的です。必要書類の例としては、登記申請書や登記識別情報、登記原因証明書、印鑑証明書、委任状、司法書士が関与する場合の権限証明書などが挙げられます。
また、書類の有効期限にも注意が必要で、印鑑証明書や資格証明書は、発行から3か月以内のものが求められるケースが多いです。
抵当権の設定にかかる費用
抵当権の設定には、いくつかの費用が必要です。これには、主に登録免許税、司法書士に支払う報酬、収入印紙代、印鑑登録証明書の発行手数料、登記事項証明書の発行手数料などが含まれます。
登録免許税は、登記に必要な税金で、抵当権を設定する際に住宅ローンの借入額に基づいて算出されるものです。一般的には借入額の0.4%ですが、一定の条件を満たす住宅の場合、税率が0.15%に引き下げられる特例があります。
抵当権の実行により起こる問題
住宅ローンの返済が難しくなった場合、金融機関は担保として設定された土地や建物を差し押さえ、競売にかけることが可能です。この競売では、市場価格よりも低い値段で売却されるケースが多く、結果として借金の全額を返済できないリスクが伴います。
また、競売によっても返済が不十分な場合、給与の差し押さえなどの手続きが進む場合があります。このため、無理のない返済計画を立て、安定した資金繰りを確保するように心がけください。
抵当権付きの不動産の売却や相続の方法
次に、抵当権付きの不動産の売却や相続の方法について解説します。
- 売却の場合は抵当権の抹消が必要
- 相続の場合は抵当権の抹消は不要
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
売却の場合は抵当権の抹消が必要
一般的には、売却前に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消することが重要です。なぜなら、抵当権が残っている不動産は買い手にとってリスクが高く、購入をためらう可能性があるためです。
抵当権の抹消手続きは、住宅ローン完済後に必要書類を金融機関から受け取り、法務局に提出することで行われます。手続きには専門知識が必要なため、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
相続の場合は抵当権の抹消は不要
不動産に抵当権が設定されていても相続は可能です。ただし、抵当権が残っている場合は、住宅ローンの残高がある場合にその返済義務も相続人に引き継がれます。
一方で、被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合、死亡時に残ったローンが保険によって完済されるケースがあります。その際、抵当権の抹消手続きをすることが可能です。また、被相続人が生前に住宅ローンを完済している場合、速やかに抵当権の抹消登記を行うのがおすすめです。
抵当権の抹消手続きの方法
抵当権の抹消を行うには、まず住宅ローンの完済が不可欠です。完済後も抵当権が自動的に消えることはないため、適切な手続きを行う必要があります。
もし、抵当権が残ったままだと、新たな融資を受ける際の審査が難しくなったり、不動産の売却がスムーズに進まなかったりするリスクがあります。抵当権抹消の手続きは、司法書士に依頼するのが一般的ですが、必要書類を揃えて法務局に申請すれば、個人でも対応が可能です。
抵当権抹消登記に必要な書類
抵当権の抹消手続きには、いくつかの書類が必要であり、事前の準備が欠かせません。まず、登記申請書を作成し、登記原因証明情報や抵当権解除証書、登記識別情報などを揃えます。
代理人が手続きを代行する場合は、委任状などの代理権限証明情報も必要です。手続きには登録免許税が発生し、土地と建物に対してそれぞれ1,000円の税金が課されます。また、司法書士に依頼する場合には別途費用がかかります。
抵当権抹消登記にかかる費用
抵当権抹消登記を行う際には、代行を依頼する際の報酬費用に加え、手続きそのものにも一定の費用がかかる点を理解しておきましょう。主な費用には、登録免許税、登記情報代、そして場合によっては郵送料が含まれます。
たとえば、登録免許税は不動産1件あたり1000円で、一般的な一戸建てでは土地と建物に対してそれぞれ設定されるため、合計で2000円かかるケースが多いです。なお、登記情報代は1件あたり332円となっています。
なお、抵当権抹消登記にかかる司法書士費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:抵当権抹消に司法書士費用はいくらかかる?依頼するメリットや費用相場を徹底解説! | ビリーフ株式会社
抵当権 住宅ローンでよくある3つの質問
最後に、抵当権 住宅ローンでよくある質問をご紹介します。
- 質問1.抵当権と根抵当権の違いは?
- 質問2.抵当権のメリットは?
- 質問3.抵当権のデメリットは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.抵当権と根抵当権の違いは?
根抵当権は、融資における特別な担保方式で、一定の極度額を設定し、その範囲内で複数回の借入や返済が自由にできる仕組みです。一般的な抵当権では、借入ごとに新たに担保を設定する必要がありますが、根抵当権では一度設定すれば、その後の借入れに対しても同じ担保が適用されます。
このため、企業や事業者が継続的に資金調達を行う際に利用され、融資の効率化に役立ちます。一方で、住宅ローンのような単発契約には適していません。
なお、根抵当権の抹消方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】根抵当権の抹消方法は?抵当権との違いや必要書類、抹消しないリスクを徹底解説!
質問2.抵当権のメリットは?
抵当権を設定した住宅ローンは、低金利で借りられるという利点があります。不動産を担保にするため、金融機関のリスクが減少し、結果として、借り手に有利な金利が適用されます。
無担保ローンの利用も可能ですが、金利は一般的に高くなる傾向です。また、担保の設定によって、より多額の資金を借りられるため、住宅の購入予算を増やせます。さらに、返済期間も長めに設定されるため、月々の返済負担を軽減できる点も大きな魅力です。
質問3.抵当権のデメリットは?
抵当権を設定する際には、登録免許税や司法書士の報酬などの費用が発生します。住宅ローンの場合、一部の税金が軽減される場合もありますが、それでも全体で数十万円程度の支出が必要です。
また、ローンの返済が滞ると、金融機関が抵当権を行使し、住宅が差し押さえられるリスクがあります。さらに、ローン返済後に抵当権を抹消しないままでいると、将来的に住宅を売却する際に手続きが複雑になる可能性があるため、速やかな手続きが重要です。
まとめ
本記事では、抵当権の概要や抵当権の実行により起こる問題、抵当権付きの不動産の売却や相続の方法について解説しました。
抵当権とは、債権者が住宅ローンの担保として設定し、債務者が返済不能となった際に競売などで優先的に弁済を受けられる仕組みです。抵当権の設定に必要な書類は多岐にわたり、手続きに関しては、金融機関が提示する指示に基づいて進めるのが一般的です。
抵当権を設定する際には、登録免許税や司法書士に支払う報酬、収入印紙代、印鑑登録証明書の発行手数料、登記事項証明書の発行手数料などが必要になります。もし、住宅ローンの返済が難しくなった場合、金融機関は担保として設定された土地や建物を差し押さえ、競売にかけるリスクがあります。
また、不動産を売却する場合には、抵当権の抹消が必要です。抵当権を抹消するためには、住宅ローン完済後に必要書類を金融機関から受け取り、法務局に提出しなければなりません。一方、相続の場合、不動産に抵当権が設定されていても相続は可能です。
ただし、住宅ローンの残高がある場合には、その返済義務も相続人に引き継がれるため注意してください。
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