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2025.08.09
事故物件の買取で悩む前に!買取相場と失敗しない業者選びのコツ3つをご紹介!
所有している物件で不幸にも事件や事故が起きてしまい「事故物件」となった場合、売却には多くの悩みや不安がつきまといます。通常の不動産売却とは異なる注意点も多く、専門的な知識なしに進めるのは非常に困難です。
本記事では、そんな事故物件の買取について、気になる相場から専門の買取業者に依頼するメリット・デメリット、さらには安心して任せられる優良な買取業者を見極めるための具体的な選び方まで、分かりやすく解説していきます。本記事を読めば、あなたの不安を解消し、納得のいく形で大切な資産を売却するための一歩を踏み出せるでしょう。
そもそも事故物件とは?
事故物件とは、一般的にその物件の室内や共用部分で人の死が発生した経歴のある物件です。法律上の明確な定義はありませんが、宅地建物取引業法では「心理的瑕疵(しんりてきかし)」がある物件として扱われます。
心理的瑕疵とは、買主がその事実を知っていたら「住み心地が良くない」と感じ、契約しなかったと考えられる心理的な欠陥を指す言葉です。具体的には、自殺や他殺、火災による死亡事故などが該当します。
また、孤独死であっても、発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合などは一般的に事故物件として扱われるでしょう。売主には、これらの事実を買主へ正確に伝える「告知義務」が課せられています。
この義務を怠ると、後に大きなトラブルへ発展する可能性があるため注意が必要です。
なお、事故物件の契約で後悔しないための注意点については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:【プロが教える】事故物件とは?契約で後悔しないための3つの注意点をご紹介! | ビリーフ株式会社
事故物件の買取で知っておきたいポイントは3つ
事故物件の買取を検討する上で、事前に必ず押さえておくべき重要なポイントがいくつかあります。特に「買取相場」「告知義務」「一般的な不動産売却との違い」という3つの要素は、売却の成否や手元に残る金額に大きく影響する要素です。
ここでは、後悔のない売却を実現するために、最低限知っておきたい基礎知識を分かりやすく解説します。
1.買取相場の実態
事故物件の買取相場は、事件性の内容や経過年数によって大きく変動しますが、一般的には通常の物件価格から10%〜50%程度低くなる傾向にあります。例えば、発見が早かった孤独死であれば10%〜20%減、自殺の場合は30%〜50%減、そして他殺事件となると50%以上の下落も珍しくありません。
これは、買主が感じる心理的瑕疵の度合いが価格に反映されるためです。買取業者は、物件を買い取った後にリフォームや特殊清掃を行い、再販または賃貸物件として活用します。
その際にかかる費用やリスクを考慮して買取価格を査定するため、仲介での売却よりも価格は低くなりますが、スピーディーかつ確実に売却できる点が大きなメリットです。
2.告知義務の重要性
事故物件を売却する際は、売主には「告知義務」が課せられます。これは、物件で過去に人の死があった事実(心理的瑕疵)を、契約前に買主へ必ず伝える重要なルールです。
国土交通省が定めるガイドラインによると、売買契約において、時間の経過によってこの義務はなくなりません。つまり、何年経っていても告知が必要です。
告知義務を怠ると、後から事実が発覚した際に問題が起こります。具体的には、買主から契約解除や損害賠償を請求される「契約不適合責任」を問われる可能性があります。
信頼できる買取業者は、こうした法的なリスクについても熟知しており、売主が不利にならないよう適切な手続きをサポートしてくれるでしょう。
3.一般的な不動産売却との違い
事故物件の売却は、一般的な不動産売却(仲介)と大きく異なる点が2つあります。1つ目は「売却スピードと確実性」です。
仲介は買い手を探すため時間がかかり、売れない可能性も否定できません。一方、専門業者による買取は業者が直接買い取るため、最短数日で現金化が可能です。
2つ目は「契約不適合責任の有無」です。仲介で個人に売却した場合、売却後に物件の欠陥が見つかると売主が責任を問われる可能性があります。
しかし、多くの買取業者はこの契約不適合責任を免責する特約を設けているため、売却後のトラブルの心配がありません。価格面では仲介に劣る可能性がありますが、これらのメリットは心理的瑕疵という大きな不安を抱える売主にとって非常に大きな安心材料といえます。
事故物件を買取業者に依頼する4つのメリット
事故物件の売却で専門の買取業者に依頼すると、価格面だけでは測れない多くのメリットが存在します。ここでは、売主が享受できる具体的なメリットを4つの側面から詳しく見ていきましょう。
これらの利点を理解すれば、なぜ多くの人が仲介ではなく買取を選択するのかが明確になります。
1.スピーディーな現金化が実現できる
最大のメリットは、売却活動に時間をかけずに、迅速に物件を現金化できる点です。一般的な仲介による売却では、買主が見つかるまで数ヶ月、場合によっては1年以上かかる場合も珍しくありません。
しかし、買取業者は自らが買主となるため査定から決済までの期間が非常に短く、最短数日から数週間で全ての取引が完了します。
急な資金需要がある場合や、物件の管理費や固定資産税といった維持費の負担から一刻も早く解放されたい方にとって、このスピード感は非常に大きな魅力といえます。面倒な内覧対応なども不要で、精神的な負担も大幅に軽減できるでしょう。
2.契約不適合責任が免責になる
買取業者に売却する場合、多くは「契約不適合責任」が免責される特約付きで契約を結びます。契約不適合責任とは、売却した物件に契約内容と異なる欠陥(雨漏りやシロアリ被害など)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任です。
事故物件の場合、物理的な欠陥だけでなく心理的瑕疵も含まれるため、個人間の取引では後々トラブルに発展するリスクが常に付きまといます。しかし、不動産のプロである買取業者へ売却すれば、この責任を免除されるため、売主は売却後に新たな問題が発生する心配がなくなります。
この安心感は、金銭的なメリット以上に価値があると感じる方も少なくありません。
3.売却活動が表面化しにくい
事故物件である事実を近隣住民に知られずに売却したいと考える方は少なくありません。仲介による売却では、広告活動や内覧対応などが必要になるため、どうしても情報が外部に漏れやすくなります。
その点、買取業者への売却は業者との直接取引のみで完結するため、売却活動が表面化する心配がありません。広告掲載や不特定多数の内覧がないため、プライバシーを守りつつ静かに売却手続きを進められるのです。
相続した物件が実家の近くである場合など、周囲との関係性を気にされる方にとって、このメリットは非常に重要です。
4.現状のまま売却できる
事故物件を売却する際、特殊清掃や遺品整理、リフォームなどが必要になるケースが多く、これらの費用は売主の負担となります。しかし、専門の買取業者の多くは、物件を現状のまま買い取ってくれるのです。
室内に家財が残っていても、清掃が終わっていなくても問題ありません。買取業者は自社でリフォームやリノベーションを行うノウハウを持っているため、それらの費用を差し引いた上で買取価格を提示してくれます。
売主は、売却前に多額の費用を準備したり業者を手配したりする手間が一切かかりません。そのため、金銭的・時間的な負担を大幅に削減できる点は大きな利点です。
事故物件の買取における2つのデメリット
事故物件の買取は、スピーディーで手間がかからないなど多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットが存在するのも事実です。ここでは、買取を検討する際に必ず考慮すべき2つのデメリットについて解説します。
メリットとデメリットの両方を天秤にかけ、ご自身の状況にとって最適な売却方法かどうかを慎重に判断しましょう。
1.売却価格が相場より安くなる傾向にある
買取業者に依頼する最大のデメリットは、仲介で売却する場合と比較して、売却価格が低くなる傾向にある点です。買取業者は、物件を買い取った後にリフォームや特殊清掃などを行い、利益を上乗せして再販を目的としています。
そのため、再販時にかかる費用やリスク、自社の利益をあらかじめ買取価格から差し引く必要があります。結果として、市場相場の7割から8割程度の価格になるのが一般的です。
ただし、仲介で売却した際にかかる仲介手数料や、売れるまでの維持費、リフォーム費用などを考慮すると、最終的な手残り額では大きな差にならないケースもあります。価格だけでなく、売却にかかる手間や時間、リスクを総合的に判断することが大切です。
2.悪徳業者が存在する
残念ながら、事故物件の買取業界には、売主の知識のなさや弱みにつけ込む悪徳な業者も存在します。例えば、相場よりも著しく低い査定額を提示したり、契約内容について不十分な説明のまま契約を急がせたりするケースです。
また、一度契約を結んだ後に些細な理由をつけて買取価格の減額を要求してくるような悪質な手口も報告されています。こうした被害に遭わないためには、1社だけでなく複数の業者に査定を依頼し、提示された価格や契約内容の比較検討が不可欠です。
担当者の対応や説明の丁寧さ、会社の買取実績などをしっかりと見極め、信頼できる業者を選ぶ意識が何よりも重要です。
事故物件の買取業者選びのコツは3つ
事故物件の売却を成功させるためには、信頼できるパートナー、すなわち優良な買取業者選びが最も重要です。しかし、数多くの業者の中からどこを選べば良いのか、判断基準が分からず悩んでしまう方も少なくありません。
ここでは、悪徳業者を避け、安心して任せられる優良な買取業者を見極めるための、具体的で実践的な3つの選び方を紹介します。
1.豊富な買取実績の確認
最初に確認すべきは、その業者が事故物件の買取実績を豊富に持っているかどうかです。事故物件の買取には、心理的瑕疵に関する法的な知識や、物件を再生させるための特殊清掃・リフォームのノウハウなど、高度な専門性が必要です。
公式サイトに具体的な買取事例(どのような物件をいくらで買い取ったか)が数多く掲載されている業者は、それだけ経験が豊富で信頼性が高いと判断できるでしょう。特に、ご自身の物件と似たようなケース(例:孤独死、自殺、火災など)の買取実績があるかどうかは重要なチェックポイントです。
実績の多さは、多様なケースに対応できるノウハウと、安定した経営基盤の証でもあります。
2.明確な査定額の根拠
複数の業者に査定を依頼すると、各社から異なる査定額が提示されます。この時、単に金額だけで判断するのは危険です。
重要なのは「なぜその査定額になったのか」という根拠を、担当者が分かりやすく具体的に説明してくれるかどうかです。優良な業者は、物件の立地や状態、近隣の相場といったプラス査定の要因と、事故の内容やリフォームにかかる費用といったマイナス査定の要因を明確に提示してくれます。
逆に、質問に対して曖昧な答えしか返ってこなかったり、契約を急かしたりする業者は注意が必要です。納得できる説明を受けられるかどうかが、信頼できる業者を見極める鍵となります。
3.口コミや評判のチェック
実際にその買取業者を利用した人の声は、業者選びにおける貴重な判断材料となります。インターネット上の口コミサイトや比較サイト、Googleマップのレビューなどを確認し、第三者からの客観的な評価をチェックしましょう。
もちろん、全ての口コミが正しいとは限りませんが「担当者の対応が丁寧だった」「説明が分かりやすかった」といったポジティブな意見が多い業者は、顧客満足度が高いと考えられます。逆に「連絡が遅い」「対応が横柄だった」といったネガティブな評判が目立つ場合は、避けた方が賢明です。
事故物件の買取査定から売却までの流れは5ステップ
事故物件の売却を考え始めたものの、具体的な手順が分からず不安を感じる方もいます。ここでは、最初の問い合わせから、最終的に物件を引き渡して現金を受け取るまでの具体的な流れを、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1.買取業者への問い合わせ
まずは、インターネット検索などで事故物件を専門に扱う買取業者をいくつか探し、問い合わせから始めます。多くの業者は、電話や公式サイトの専用フォームから無料で相談や査定依頼が可能です。
この段階で、物件の所在地や種別(戸建て、マンションなど)、事故の状況について、分かる範囲で伝えましょう。正確な情報を伝えれば、より精度の高い机上査定(現地調査前のおおよその査定額)を提示してもらえる可能性があります。
この時点で複数の業者に同時に声をかけ、対応の速さや丁寧さを比較するのも良い方法です。
ステップ2.物件の査定
問い合わせ後、買取業者の担当者と日程を調整し、物件の現地調査(訪問査定)が行われます。担当者は、物件の間取りや築年数、建物の状態、周辺環境などをプロの目でチェックし、正式な買取価格を算出します。
この際、売主は立ち会うのが基本ですが、遠方に住んでいるなどの事情がある場合は、鍵を送付するなどして立ち会いなしでの査定も可能です。
事故の状況や経緯については、正直に詳しく説明しましょう。これは告知義務に関わる重要な部分であり、正確な情報が後のトラブルを防ぎます。
ステップ3.買取価格の提示と交渉
現地査定後、通常は数日以内に業者から正式な買取価格が提示されます。この際、なぜその価格になったのか、査定額の根拠について詳細な説明を求めましょう。
提示された金額に納得がいかない場合は、価格交渉も可能です。ただし、根拠のない値上げ要求は難しいため、他の業者の査定額などを引き合いに出し、交渉の材料とすると効果的でしょう。
複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、適正な相場を知り、より良い条件を引き出す上で非常に有効な手段です。
ステップ4.売買契約の締結
買取価格や引き渡し条件など、全ての条件に双方が合意したら、売買契約を締結します。契約時には、宅地建物取引士から重要事項説明を受け、契約書の内容を隅々まで確認してください。
特に「契約不適合責任の免責」に関する特約や、引き渡しの時期、残置物の処理についてなど、不明な点があればその場で必ず質問し、解消しておきましょう。契約書に署名・捺印し、手付金(売買代金の一部)を受け取ると、契約が正式に成立します。
ステップ5.決済と物件の引き渡し
契約時に定めた引き渡し日(決済日)に、売買代金の残金全額が支払われます。決済は、金融機関の応接室などで行われるのが一般的です。
買主(買取業者)から売主の口座への代金振り込みを確認した後、司法書士が所有権移転登記の手続きを進めます。売主は、物件の鍵を買取業者に渡して、全ての取引が完了となります。
売却によって利益が出た場合は、翌年に確定申告が必要になる場合があるので、相続や税金に詳しい弁護士や税理士に相談しておくと安心です。
事故物件の買取でよくある3つの質問
事故物件の売却を初めて検討する際には、さまざまな疑問や不安が浮かんでくるものです。ここでは、事故物件の買取に関して、特に多くの方から寄せられる代表的な3つの質問を取り上げ、分かりやすくお答えしていきます。
事前に疑問点を解消し、安心して買取の相談を進めましょう。
質問1. どんな状態の事故物件でも買い取ってもらえますか?
多くの専門買取業者では、どのような状態の事故物件でも買取対象としています。例えば、自殺や他殺、孤独死といった心理的瑕疵はもちろん、火災で焼けてしまった物件、ゴミ屋敷状態の物件、再建築不可の物件など、一般の不動産市場では買い手が見つかりにくいものでも対応可能です。
専門業者は、買い取った後に解体やリフォーム、特殊清掃などを行うノウハウを持っているためです。ただし、物件の状態や立地条件によっては買取が難しいケースもゼロではないため、まずは複数の業者に相談してみましょう。
質問2. 査定にはどれくらいの時間がかかりますか?
査定にかかる時間は、業者や査定方法によって異なり、電話やウェブサイトから行う机上査定であれば、早ければ即日、通常は1〜3営業日程度で結果が出ます。
より正確な買取価格を出すための現地査定(訪問査定)は、30分から1時間程度で完了しますが、現地査定の結果を踏まえた正式な買取価格が提示されるまでには、通常2〜7営業日ほどかかるのが一般的です。
少しでも早く現金化したい場合は、問い合わせの際にその旨を伝えると、迅速に対応してくれる業者もあります。
質問3. 遠方に住んでいても買取は可能ですか?
所有している事故物件と現在のお住まいが離れている場合でも、多くの買取業者は全国対応も可能です。査定時の立ち会いも、ほとんどの場合、鍵を郵送するなどの方法で対応してくれるでしょう。
また、売買契約や決済の手続きも、司法書士が仲介する「持ち回り契約」などを利用すれば、現地へ出向かずに郵送のやり取りだけで完結できます。遠方にお住まいで物件の管理にお困りの方こそ、手間なく売却できる買取サービスのメリットは大きいと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、事故物件の買取について、相場からメリット・デメリット、信頼できる買取業者の選び方までを詳しく解説しました。事故物件の売却は、心理的瑕疵や告知義務といった特有の問題が絡むため、専門的な知識を持つプロに任せるのが最も安全で確実な方法です。
買取業者に依頼すれば、スピーディーな現金化が可能なうえ、売却後のトラブルの心配である契約不適合責任も免責されるなど、売主にとって大きなメリットがあります。複数の業者に査定を依頼し、買取実績や査定額の根拠をしっかりと比較検討することが大切です。
本記事で紹介したポイントを参考に、ご自身の状況に最も適した信頼できるパートナーを見つけ、不安のない売却を実現してください。