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2023.08.26
不動産売却の見積りとは?見積りの種類やチェックポイント、注意点を徹底解説!
不動産売却を考えている場合、少しでもよい条件で売却したいものです。そこで、見積りを取得していくらで売却できるかをチェックした上で、売却する不動産会社を選定する必要があります。
では、不動産売却においてどのような方法で見積りを取得できるのでしょうか。この記事では、不動産売却における見積りの取得方法やチェックすべきポイントなどを紹介します。
不動産売却の見積りとは?
不動産売却における見積りとは、不動産の売却予想価格を査定してもらうことを指します。不動産については、広さや立地条件などによって、価値が大きく異なります。
単純に広さだけで価値が決まるわけではないため、見積りを取得しないと正しい価値が把握できません。そこで、見積りを取得して正しい価値を把握すると同時に、複数の不動産会社から見積りを取得して、最も条件のよい業者を選ぶなどの対応が必要です。
見積りは、相見積りと呼ばれる複数の業者から取得する形が一般的です。多少手間がかかりますが、必ず相見積りを取得しておくことをおすすめします。
不動産の見積り方法は2種類
業者に作業を依頼する場合など、見積りを取得して費用を把握する形が取られます。不動産売却においては、見積りを出すために2つの査定方法を選択する必要があります。
- 机上査定(簡易査定)
- 訪問査定
各査定の違いについて、解説します。
1.机上査定(簡易査定)
机上査定は、簡易査定とも呼ばれており、以下のようなデータを元に過去の成約事例などを参考に価値を算出する方法です。
- 住所
- 面積
- 築年数
- 間取り
また、実際に周辺の不動産売却のために売り出されている物件の価格や公示価格などのデータを参考に査定されることも多いです。机上査定の場合、あくまでもデータを用いて査定する方式となり、実際に不動産を確認して算出するわけではありません。
よって、正確な価値を把握するものではなく、売却の目安となる金額を知りたい場合に利用する方法です。また、リフォームの有無や物件の現況は反映されないデメリットがあります。
2.訪問査定
訪問査定とは、実際に不動産の以下の状況を確認して、より正確な価値を査定する方法です。
- 使用状況
- 日当たり
- 周辺環境
- リフォームなどの有無
訪問査定の場合、本格的に不動産の売却を考えている場合に利用します。不動産会社のスタッフとの間でも、より詳細な話をすることになるため、対応の善し悪しを判断する意味で利用する場合も多いです。
訪問査定の場合、不動産会社との間で訪問日時を整合して、実際に訪問を受けた後に査定額を知ることができますが、時間がかかってしまうデメリットがあります。
査定時に見られる4つのチェックポイント
不動産の見積りを作成するにあたって、特に査定額を決定する上で重要となる項目として、以下4つがあります。
- 建物の状況
- 生活環境
- 周辺環境
- 近隣物件の取引価格
各項目について、詳しく解説します。
1.建物の状況
建物の状態は、不動産売却の査定において重要視されている項目です。単純に、建物の見た目や状態として、主に以下のような項目をチェックします。
外壁や屋根など住宅の外観
収納や床暖房など住宅の設備の有無と状態
- 間取り
- 生活動線
- 防犯対策の有無
- 日当たり
- 風通し
- 窓からの眺望などの付加価値
ほかにも、マンションの場合は管理状態も確認されるケースが多いです。また、駐車場の状態やエントランスなども確認される傾向にあります。
2.生活環境
快適に生活を送るためには、生活環境が充実しているかどうかが重要です。どれだけ建物としての価値が高くても、生活環境に問題があると不動産としての価値は低くなりがちです。
生活環境としては、主に以下の項目が確認されます。
- 日照
- 眺望
- 通風
- 騒音
- 振動
- 臭気等
上記は、机上査定では確認できない項目であり、机上査定でよい金額を提示されても、訪問査定で大きくマイナスとなってしまいがちです。
特に、日照や眺望、通風は非常に重視され、もし立地のよい場所にある不動産の場合は査定額がアップする可能性があります。逆に、騒音や振動、臭気がある場合は大きくマイナスになる要素となります。
3.周辺環境
建物や土地周辺の環境も、査定額に大きく響く要素です。例えば、マンションなどの場合はエントランスなどの共有スペースが散らかっていると、マイナス要素となってしまいます。
また、周辺に墓地があったり救急病院があったりすると、敬遠されて査定が下がる可能性が高いです。ほかにも、以下のような要素が重要視されます。
- 駅やバス停などの公共交通機関との距離
- 役所や学校など公共施設との距離
- スーパーやコンビニなど店舗・商業施設との距離
4.近隣物件の取引価格
近隣物件の取引価格については、査定額を決める重要な要素となります。周辺の相場はどの程度で、どのような条件の物件がいくらで取引されているかについて、参考にして査定額を算出する傾向にあるのです。
基本的に、不動産会社のホームページで公開されている情報を確認する方法があります。また、国土交通省が提供している「土地総合情報システム」によって、信頼できるソースから容易に相場をチェックできるのでおすすめです。
無料査定と有料査定の違い
一般的に、見積りや査定と聞くと無料で対応してもらえる印象がありますが、不動産売却においては無料査定だけでなく有料査定が存在します。無料査定とは、主に不動産会社が実施する査定のことです。
無料査定では、不動産会社が過去の実績などをベースとして算出する場合が多く、主に机上査定でおこなわれるものです。イメージとしては、不動産会社の営業活動の一環としておこなわれています。
一方で、有料査定とは不動産鑑定士と呼ばれる国家資格の有資格者が査定するものとなります。不動産鑑定士が、法律によって定められている不動産鑑定評価基準に従って、査定額を算出するのが特徴です。
算出するためには時間がかかるものの、査定結果は裁判や税務署に対して証拠として採用できるほど信頼できるものとなり、より正確な査定額を知りたい場合に利用することになります。一般的には、無料査定は査定額が高めになり、逆に有料査定の場合は査定額が低くなりがちという傾向があります。
不動産査定額の注意点
不動産査定額については、注意したいポイントがあります。はじめに、1社だけの査定額を信用せず、複数の業者から査定を受けるようにしてください。
これにより、相場が理解できる効果があります。また、信頼できる不動産会社が算出した査定額かどうかも重要です。
信頼できる査定額を得ることができ、売却する際に購入してもらいやすく最も高く売れる可能性が高まります。ほかにも、自分自身で相場をある程度把握しておき、不動産査定額が妥当かどうかをチェックすることも重要です。
不動産売却の見積り時に準備しておくもの
不動産売却の見積りを依頼する場合、事前に準備しておくべきものとして、以下があります。
- 査定における必要書類
- 住宅ローンの残高
- 近隣の売買取引情報
各項目について、詳細は以下のとおりです。
査定における必要書類
不動産売却の査定において、必要となる書類として以下があります。
- 登記簿謄本
- 公図
- 土地の測量図あるいは建物の図面
- 登記権利証または登記識別情報
- 身分証明書
- 印鑑証明書
特に机上査定では、基本的に提供された書類の情報をベースに査定するため、不動産の面積などの情報が確認できる書類の準備が必要です。また、実際に売却するにあたって印鑑証明書などの準備が必要となります。
ほかにも、以下のような書類があると査定がスムーズに進めることができます。
- 当該不動産の周辺環境がわかる鳥観図などの書類
- 購入した時の売買契約書
- 建築確認済証または検査済証
- 建築設計図書または工事記録書
- 境界確認
- 住宅性能評価書 住宅の性能を数値で表した書類
- 耐震診断報告書
- アスベスト使用調査報告書
- 固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書
- リフォームの契約書や報告
- 管理費・修繕積立金の記載がある書類
住宅ローンの残高
住宅ローンの残高が残っている不動産であっても、一定の条件を満たせば売却することができます。また、不動産の価値は年月が経てば立つほど下がるため、完済する前に売却したほうが高く売却可能です。
住宅ローンの残高がある不動産を売却する場合、以下の方法があります。
- 住宅ローンを完済する
- 不動産に設定されている抵当権の登記を抹消する
いずれの方法においても、住宅ローンの残高をしっかりと確認しておくことが重要です。住宅ローンの残高を確認する方法としては、以下があります。
- 返済予定表を確認する
- 残高証明書を確認する
- インターネットで確認する
近隣の売買取引情報
不動産査定の要素として、近隣の売買取引情報が重視されると解説しましたが、自分自身で査定額が妥当かどうかを確認するため、事前に近隣の売買取引情報については入手しておくべきものです。個人でも、土地総合情報システムを活用すれば、簡単に近隣の売買取引情報を入手できます。
不動産 売却 見積りに関するよくある5つの質問
ここでは、不動産売却時の見積もりに関する、よくある質問を紹介します。
質問1.不動産売却時の流れが知りたい。
不動産売却を進める場合、多くの段階を踏んで制約までこぎ着けることができ、平均で8か月かかります。具体的には、以下のようなステップで不動産売却を進めます。
- 不動産会社に売却相談をする
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 不動産の売却活動を始める
- 購入希望者と条件交渉をする
- 買主と売買契約を結ぶ
- 決済・不動産の引き渡しをおこなう
- 確定申告する
不動産売却の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】不動産売却の流れは7ステップ!手続きに必要な書類もわかりやすく解説!
質問2.複数の不動産会社へ見積りをとった方が良い?
何度も紹介しているとおり、1社だけから見積りを取得しても妥当な評価額なのかどうかが把握できません。そこで、複数の不動産会社から見積りを取得するのが一般的です。
ただし、1社ずつ見積りを依頼して対応するのはとても大変な作業となります。そこで、不動産一括査定サイトを活用すれば、1回の手続きで複数の業者から査定を受けることが可能です。
おすすめの不動産一括査定サイトについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2023年最新】不動産売却におすすめ|人気の不動産一括査定サイト20選をご紹介!
質問3.信頼できる不動産会社はどう選べば良い?
不動産売却は、非常に大きな金額となるため信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。信頼できる不動産会社を選ぶ際には、以下のような点を重視してください。
- 売却エリアの情報に精通している
- 売却実績が豊富である
- 査定額に根拠がある
- 対応がスピーディーである
- アドバイス力がある
- 担当者が親身になってくれる
- 免許番号や行政処分歴に問題がない
- インターネット広告に力を入れている
信頼できる不動産会社を探す方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】不動産売却はどこがいい?特徴や信頼できる業者選びのポイントを徹底解説!
質問4.査定額が相場よりも高くなるケースはある?
実際に見積りを取得すると、相場よりも高い査定額を提示される場合があります。相場よりも高い査定額を提示される場合、以下のような理由が考えられます。
- 売主に対して良い印象を与えたいため
- 高値で売却できる自信があるため
以上より、査定額が高いことを鵜呑みにすると、実際に売却する際売れ残るなどのリスクがあります。よって、信頼できる不動産会社から得られた査定額かあるかを重視してください。
質問5.不動産売却にかかる税金はどれくらい?
不動産売却において、手続きの際に課される税金と売却益に課される税金を負担しなければなりません。特に大きな負担がかかるのが譲渡所得に関する税金であり、以下のような税率で負担が必要です。
短期譲渡所得 |
所有期間5年以下 |
税率:39.63%(所得税:30.63%、住民税:9%) |
長期譲渡所得 |
所有期間5年超 |
税率:20.315%(所得税:15.315%、住民税:5%) |
不動産売却にかかる税金の計算方法は、以下の記事でより詳しく解説しています。
関連記事:不動産売却にかかる税金の計算方法|譲渡所得の控除制度や節税ポイントをわかりやすく解説!
まとめ
不動産売却において、より効率よく高い金額で売却するためには、正しい査定を受けられるかが重要です。訪問査定を受けることでより正確な査定を受けることができますが、時間がかかるなどのデメリットもあります。
今回紹介した内容を参考にして、しっかりと査定を受けて売却を有利に進めてください。なお「ビリーフ株式会社」は不動産の買取・仲介だけではなく、不動産に関するさまざまなご相談を承っております。
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