2023.11.25

【プロが教える】不動産を5年以内に売却すると税金で損する?築浅物件を売却するコツや控除・特例をご紹介!

【プロが教える】不動産を5年以内に売却すると税金で損する?築浅物件を売却するコツや控除・特例をご紹介!

「購入して5年以内にマイホームを売却すると損してしまう?」このように考える方は少なくありません。とくに、不動産は生涯でもっとも高い買い物となるため、不安に感じてしまうのも当然です。

この記事では、不動産のプロが購入して5年以内の不動産を売却するコツや税金が高くなる理由について詳しく解説します。築浅物件を売却しようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

監修者

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所有期間が5年以内の不動産売却で税金が高くなる理由

所有期間が5年以内の不動産売却で税金が高くなる理由

不動産売却時の課税は、売却価格そのものではなく、売却によって得られた利益(売却益)に対して課されます。この売却益は、売却金額から取得費や譲渡費用(仲介手数料、測量費用、立ち退き料、建物の取り壊し費用など)を差し引いて算出されるものです。

また、不動産の所有期間によって課税率に差が出ます。所有期間が短期の場合は税率が高くなり、長期所有の場合は税率が抑えられる傾向です。

不動産売却時の課税は売却益と所有期間によって異なります。ここでは所有期間による税率の違いと、所有期間の計算方法について解説しますので、詳しく見ていきましょう。

所有期間による税率の違い

不動産売却時の税率は所有期間によって異なり、5年以内の「短期譲渡所得」と5年を超える「長期譲渡所得」ごとにそれぞれ税率が適用されます。それぞれの税率は以下の通りです。

 

所得税

住民税

合計

短期譲渡所得

30.63%

9%

39.63%

長期譲渡所得

15.315%

5%

20.315%

この違いは、短期間での不動産売却が市場価格を不安定にさせることを防ぐためであり、通常のマイホーム売却は特別な事情がなければ長期譲渡所得となります。

短期譲渡が高い税率で課税される理由は、不動産投資目的の転売活動を抑制するためです。特に投資家が不動産価格の高騰や巨額の利益を求めて短期売買することによる市場の不安定化を防ぐ狙いがあります。

ただし、不動産を短期間で売却するケースでも、税率が高いために必ずしも利益が出ないわけではありませんが、短期譲渡の高い税率は利益を出す上での障壁です。

所有期間の計算方法

短期譲渡所得と長期譲渡所得の区別には、特定の期間の計算ルールが存在します。この計算の基準は、売却する年の1月1日です。

たとえば、2020年7月に購入した不動産を2025年7月に売却するケースでは、2025年1月1日時点で所有してから5年が経過していないため、この売却は短期譲渡所得として扱われます。

このように、売却した年の1月1日を基準にして所有期間を計算するため、取得からちょうど5年目に売却する場合は特に注意が必要です。

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5年以内の不動産を売却する2つのメリット

5年以内の不動産を売却する2つのメリット

5年以内の不動産を売却するメリットには、以下の2つが挙げられます。

  1. 築浅物件として価値が高い
  2. 地価が上昇中の不動産を所有している

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.築浅物件として価値が高い

新築の不動産を購入し、5年以内に売却すると築浅物件として市場価値が高くなるため、有利に働きます。建物は使用するほど傷むため、傷みが少ないうちに売却することにより、高い価格での取引が期待できます。

基本的に新築時が価格のピークであり、時間が経過すると価格は下落する傾向です。また、中古分譲マンションなどは築浅であれば買い手がつきやすく、高値で売れる可能性が高まります。

そのため、築5年以内の売却で税負担が発生しても、建物の高値売却により結果的に得をするケースも少なくありません。

2.地価が上昇中の不動産を所有している

不動産の売買価格は、物件の価値だけでなく社会情勢や経済情勢に大きく左右されるため、価格が急上昇している局面では早期の売却が賢明な選択となることがあります。

特にマンションの場合、築5年未満であれば価値の大幅な下落が見られない場合もあり、地価や情勢の流れによっては購入金額を上回る価格で売却することが可能です。

このような上昇局面が不動産購入後5年以内に訪れた場合、短期譲渡所得の高い税率を考慮しても、売却によるメリットがあるといえます。

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短期譲渡でも使える控除・特例

短期譲渡でも使える控除・特例

短期譲渡でも使える控除・特例には、以下の2つが挙げられます。

  • 3,000万円の特別控除
  • マイホームの買い替え特例

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

3,000万円の特別控除

マイホームの売却では要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円までの特別控除を受けられます。たとえば、4,000万円で取得したマンションを3年後に5,000万円で売却した場合、1,000万円の差額が発生します。

しかし、3,000万円の特別控除範囲内に収まるため、譲渡所得の課税は発生しません。この特別控除は短期譲渡所得であっても適用されるため、実際の負担が軽減される・なくなることがあります。

通常、自宅を短期間で売却し利益を追求することは少なく、家庭の事情による売却が多い傾向です。自己居住用の不動産売却に適用される3,000万円の特別控除は、所有年数に関係なく適用されるため、売却益が抑えられ、結果的に課税額が減少する・課税されない場合があります。

マイホームの買い替え特例

取得から売却までの期間が短く、住宅ローンが残っている不動産の売却では、譲渡損失(譲渡所得がマイナス)が生じることがあります。このような状況で譲渡損失が生じた場合、特定の要件を満たすと譲渡損失を他の所得から控除することが可能です。

住宅ローン残高が売却代金を上回り譲渡損失が生じた場合に、その損失をその年の他の所得から控除し、控除しきれなかった分を翌年以降3年間繰り越して控除できます。

また、住み替えによる売却の場合、一定の要件を満たすことで、譲渡所得税の納税を先送りにする制度もあります。この特例を利用すると、住み替え時には譲渡所得税を支払わず、次に売却する際まで納税を持ち越すことが可能です。

しかし、この制度は3,000万円の特別控除とは併用できないことには注意してください。

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5年以内の不動産を売却する3つのコツ

5年以内の不動産を売却する3つのコツ

5年以内の不動産を売却するコツには、以下の3つが挙げられます。

  1. 売却は早めにスタートする
  2. 売却理由をしっかりと伝える
  3. 売却に強い不動産会社に依頼する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.売却は早めにスタートする

売却価格は、築年数の経過とともに下がる傾向です。とくに、築5年目付近は1年当たりの平均売却価格の下落が大きくなるため、売却を検討している場合は早めに行動を開始することが重要です。築年数が5年を超えると価格の下落が顕著になるため、待ちすぎると売却にかかる時間が長くなるリスクがあります。

特に築0~5年のマンションは、買主からの需要が高い一方で、市場に供給される数が少ないため、需要が供給を上回るタイミングで売却すると高値で売れる可能性が高まります。そのため、高値で売却をしたい場合は、早めにスタートを切るようにしてください。

2.売却理由をしっかりと伝える

築浅物件の売却においては、買主から「新しい物件なのになぜすぐ売るのか」と疑問を持たれることがあります。

そのため、売却の理由を正直に伝えることが重要です。たとえば、「急な転勤」や「離婚による売却」など、物件自体に問題がない理由であれば、買主に安心感を与えられます。

また、建物や設備に欠陥がある場合は、それを正直に買主に伝えることが重要です。これを隠してしまうと「契約不適合」となり、契約解除や損害賠償請求の対象となるリスクがあります。そのため、不動産会社にも正確な情報を伝えるようにしてください。

不動産の売却は信頼関係が基本であり、透明性のあるコミュニケーションが成功の鍵となります。

3.売却に強い不動産会社に依頼する

中古マンションの売却成功の鍵は、適切な不動産会社を選ぶことです。まず、売却に強い会社を候補に選び、エリアや会社ごとの特徴を比較しながら適切な依頼先を探してみてください。

このときに1社だけでなく、複数の会社に査定依頼して相場感を掴むことが大切です。査定額には会社ごとのバラつきがあるため、必ず比較検討してください。

また、査定額の根拠や疑問に対する説明の分かりやすさなど、不動産会社の実力や対応を比較することも重要です。なお、岡山県の不動産売却については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:岡山市の売却に強い不動産10選|会社選びのポイントもわかりやすく解説!

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不動産売却 5年以内でよくある3つの質問

不動産売却 5年以内でよくある3つの質問

不動産売買における違約金でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.そもそも譲渡所得税とは?
  • 質問2.譲渡所得の計算方法は?
  • 質問3.不動産を5年以内に売却する場合の注意点は?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.そもそも譲渡所得税とは?

譲渡所得税は、不動産の売却から生じる利益に対して課される税金です。この税金は、売却価格から各種経費を差し引いた金額がプラスになった場合にのみ発生します。

譲渡所得税には住民税や復興特別税も含まれるため、これらを合わせて計算することが必要です。譲渡所得税の計算では、売却価格から必要な経費を差し引いた後の利益に対して、所定の税率が適用されます。

具体的には、売却にかかった仲介手数料や広告費、修繕費などが挙げられます。この税金は、不動産売却によって得られた純利益にのみ課され、損失が出た場合には発生しません。

質問2.譲渡所得の計算方法は?

不動産売却に伴う譲渡所得税の計算方法は、以下の通りです。

  • 譲渡所得 = 物件を売った金額(譲渡収入金額) – (物件を買った金額(取得費) + 売却時の諸費用(譲渡費用))
  • 減価償却費 = 建物の取得価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

減価償却費は建物にのみ適用され、土地は対象外です。ここから特別控除額を差し引きます。主な特別控除には、居住用財産の3,000万円特別控除や、相続した空き家の3,000万円特別控除があります。

また、不動産の売却益にかかる税金や売却時の税金計算については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:不動産売却にかかる税金の計算方法|譲渡所得の控除制度や節税ポイントをわかりやすく解説!

質問3.不動産を5年以内に売却する場合の注意点は?

不動産売却に関して、注意すべきポイントは以下の3つです。

  • 「5年以内」「5年超」の起点に注意する
  • 特例を適用するには確定申告が必要となる
  • 売却理由は正直に伝える

不動産を5年以内に売却する場合、期間の計算、確定申告、売却理由の伝え方が重要です。期間は「売却年の1月1日時点で5年超か」で決まり、5年以下であれば、高い税率が課せられます。

また、売却益があれば確定申告が必要です。さらに、売却理由については正直に伝えるとスムーズな売却につながります。

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まとめ

まとめ

5年以内に不動産を売却するコツや税率の違いについて解説しました。築浅物件は高額で売却できる傾向にあります。しかし、高い税率を課されてしまうため、特例や控除が適用されるのかを確認することが重要です。

また、築浅物件を売却するには早めに動き出し、そのうえで売却に強い不動産に相談することをおすすめします。ぜひ、この記事で解説した内容を参考にして、マイホームを高値で販売しましょう。

なお「ビリーフ株式会社」は不動産の買取・仲介だけではなく、不動産に関するさまざまなご相談を承っております。

不動産の購入時や売却時のわかりにくい諸費用や流れについても丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。⇒公式LINEアカウントによる不動産のお悩み相談はこちらから

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