2026.01.07

トラブルを防ぐ!遺品整理で捨ててはいけないもの12選

トラブルを防ぐ!遺品整理で捨ててはいけないもの12選

遺品整理で捨ててはいけないものとは、法的な手続きや故人の意志を尊重するために処分を避けるべき大切な資産や書類です。これらの判別を誤ると、相続の手続きが滞るだけでなく、多額の負債を引き継ぐリスクを招きます。

しかし、遺品整理で捨ててはいけないものを前にして、何から手をつければよいか悩む方は少なくありません。独断で捨ててしまうと、親族間のトラブルに発展したり、経済的な不利益を被ったりするリスクがあります。

故人が築いた資産を正しく引き継ぐことは、遺族にとって大切な責任となります。整理を円滑に進めるためには、以下の手順を意識して作業を行わなければなりません。

  • ポイント①相続手続きに必要な書類を最優先で確保する
  • ポイント②家族間での合意形成を丁寧に行う
  • ポイント③プロの査定を利用して経済的な損失を抑える

この記事では、遺品整理で絶対に確保すべき12のアイテムと、失敗を回避するためのポイントを網羅的に解説します。また、よくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

監修者

遺品整理で絶対に捨ててはいけない12項目

遺品整理で絶対に捨ててはいけない12項目

遺品整理の現場では、一見すると不要な紙くずや古い品物に見えるものが、実際には法的な権利を守るための大切な資産となる場合は珍しくありません。これらの貴重品を誤って処分してしまうと、相続手続きの遅延や経済的な不利益を招く原因となるため、確保しておくものを解説していきます。

項目①法的効力を持つ遺言書や実印などの重要品

遺品整理の中で優先順位が高いのが、遺言書や契約時に使用していた印鑑などの法的重要品です。遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などがあり、それぞれ適切な取り扱い方法が法律で定められています。

法務省の自筆証書遺言書保管制度などを確認して、故人が公的な機関を利用していなかったかも調査しましょう。安易に開封せず、法的なルールに従って検認手続きを行う準備を整えてください。

参考:自筆証書遺言書保管制度|法務省

項目②生命保険や損害保険の証券および通知書

保険金は遺族の生活を支える大切な財源ですが、受取人が請求しない限り支払われません。証券本体がない場合でも、通知状や通帳の履歴が契約を特定する鍵となります。

さらに、生命保険協会の照会制度を活用すれば、加入状況を一括で確認できます。保険金は受取人の固有財産であり、遺産分割を待たずに受け取れる点がメリットです。権利を失わないように、関連書類は保管して、すみやかに保険会社へ連絡しましょう。

項目③預金通帳とそれに関連するすべての銀行印

預金通帳や銀行印は、故人の財産を証明する不可欠な品です。紛失すると照会に多大な時間と費用がかかるため、古い通帳もすべて保管してください。

銀行印は口座ごとに異なる場合があるため、1つも見落とさないよう管理しましょう。一見残高がない通帳でも、取引履歴から隠れた資産が判明する場合は多くあります。名義が自分でも、原資が故人なら相続税の対象となる点に注意が必要です。

項目④不動産の所有権を証明する登記済証や権利証

不動産の権利証は、自宅の売却や名義変更に必須の書類であり、紛失しても再発行は不可能です。法務省によると、紛失時は司法書士への委託費用が数万円単位で発生します。無駄な出費を避けるため、古い冊子や最新の通知書など、不動産関連の書類は一括して確保してください。

また、平成17年以降は「登記識別情報」という符号が記された書面に順次切り替わっています。目隠しシールが貼られた書面を見つけた際は、剥がさずにそのまま大切に保管しましょう。相続登記が完了するまでは、一見不要に見える公的な書面も捨てないように努めてください。

項目⑤借用書や督促状といった負債に関する書類

借用書や督促状は、負の遺産を把握するための大切な資料です。これらを捨てると、期限後に借金が発覚する危険が伴います。

裁判所の規定通り、相続放棄は3か月以内に行う必要があります。まずは古い郵便物を精査して、借金の有無を最優先で確認してください。迷った書類は処分せず、専門家への相談を検討しましょう。

参考:相続の放棄の申述|裁判所

なお、相続放棄する場合の遺品整理については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:相続放棄の場合の遺品整理は要注意!3つのNG事例

項目⑥写真や手紙などの代えがたい精神的価値のある品

経済的な価値はありませんが、家族の絆を確認するための写真や動画、直筆の手紙などは一度捨てると二度と戻りません。デジタルデータとして保存されている場合は、クラウド上のストレージや物理的なHDDの所在を確認してください。

こうした思い出の品は、遺品整理の後半でゆっくりと選別する時間を作りましょう。作業の初期段階では「保留箱」を設け、迷ったものは一旦保管しておくというルールを徹底してください。

項目➆貴金属や宝石およびブランド品の鑑定書

金やプラチナ、高級時計などの貴金属やブランド品は大きな価値を持つ資産です。売却時に鑑定書や保証書が揃っていると、査定額が大幅に上がるため、不用意に分離せずセットで保管してください。

地金価格が高騰している場合は、小さな品でも高額な取引対象となります。自己判断で処分せず、専門の鑑定士に相談しましょう。売却益は整理費用の補填に役立つ貴重な財源となります。

項目⑧スマートフォンやパソコンに保存されたデータ、パスワード

現代の遺品整理において切り離せないのが、いわゆる「デジタル遺品」の取り扱いです。ネット銀行の口座や有料サブスクリプションの契約状況は、端末のロックを解除しなければ把握できません。

このため、廃棄前にログイン情報のメモが残されていないか徹底的に捜索してください。有料サービスを放置すると、故人の口座から月額料金が引き落とされ続けるリスクがあります。デジタル遺品は目に見えない資産であるため、専門業者の力を借りてでも慎重にデータを整理しましょう。

項目⑨実印と印鑑登録カードおよび住民基本台帳カード

故人が生前の契約で使用した実印は、不動産取引や公正証書の有効性を確認するための大切な証拠です。印鑑登録カードなどは、役所での諸手続きを円滑に進めるために欠かせない品物となります。

死亡後は印鑑登録が失効しますが、カードの返却を要する自治体は多いです。廃止届を提出したり、すみやかに返納したりして、法的な手続きを正しく完了させましょう。悪用やなりすましの被害を防ぐため、すべての事務処理が終わるまで厳重に保管してください。

項目⑩玄関や金庫の鍵およびICカード類

玄関や金庫の鍵は整理に不可欠であり、紛失すると高額な開錠費用が発生します。すべての扉や容器が確実に開くまでは、不用意に捨てず厳重に管理するように努めてください。

また、ICカード残高は返金対象となります。少額でも大切な資産であることに変わりはないため、すべての解約手続きが済むまでは手元に残しましょう。

項目⑪返却義務があるレンタル品や医療機器

ルーターや酸素濃縮器、車椅子、介護ベッドなどのレンタル品は事業者からの借り物です。これらを捨てると、高額な代金や違約金を請求されるリスクがあるため、提供元を確認してすみやかに返却しましょう。

引き落とし履歴から支払先を特定する方法が、解決のための有効な手段です。業者に連絡を取り、早めに回収日程を調整して余計な費用の発生を防いでください。

項目⑫勤務先から貸与されていたPCや社章などの備品

故人の勤務先から貸与されていたパソコンや社章、健康保険証などは速やかに返却しなければなりません。これらは企業の資産であり、電子機器には機密情報が含まれているため、適切に返却しないと法的トラブルを招くリスクがあります。

勤務先の担当部署へ連絡を取り、返却が必要な物品のリストを確認して、漏れなく手配するように努めてください。また、健康保険証の返却を怠ると社会保険の手続きが遅れ、遺族側の事務処理にも悪影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。

遺品整理を円滑に進めて失敗を回避するための3つのポイント

遺品整理を円滑に進めて失敗を回避するための3つのポイント

遺品整理をスムーズに進めるためには、事前の準備と周囲との連携が欠かせません。これから解説するポイントを意識して、故人の意思を尊重しながら効率的な整理を心がけましょう。

ポイント①相続手続きに必要な書類を最優先で確保する

遺品整理を開始する直後に取り組むべきなのは、公的な手続きに使用する書類の捜索です。年金手帳や保険証券、銀行の通帳などは、故人の死後すみやかに行うべき事務手続きにおいて必須となります。

これらの書類が欠けると、再発行に多大な時間と手間がかかり、葬儀費用などの支払いに支障をきたす可能性があります。見落としがちなタンスの奥や引き出しの隙間まで、慎重に確認を行うようにしましょう。

ポイント②家族間での合意形成を丁寧に行う

自分1人で判断して遺品を処分すると、ほかの遺族との関係を悪化させる最大の要因になりかねません。たとえ価値がないと思われる古い衣類や趣味の品であっても、ほかの家族にとってはかけがえのない思い出の品である場合も珍しくありません。

整理を行う前に必ず親族を集めて、どの範囲までを処分して、何を形見分けにするかを話し合いましょう。共有の認識を持てば、不和を未然に防ぎ、作業自体の効率も大幅に向上します。

ポイント③プロの査定を利用して経済的な損失を抑える

素人目にはゴミに見える古い家具やコレクションが、市場価値が高い骨董品であるケースも珍しくありません。自己判断で廃棄してしまう前に、専門の鑑定士や買取業者に査定を依頼しましょう。

売却して得た資金は、遺品整理にかかる費用や相続税の支払いに充てられます。適切な価値判断を行うことは、故人が築き上げた資産を次世代に正しく引き継ぐための大切なステップです。

なお、失敗しない遺品整理業者の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:失敗しない遺品整理業者の選び方は?チェックすべき8つのポイントをご紹介!

遺品整理の捨ててはいけないものでよくある3つの質問

遺品整理の捨ててはいけないものでよくある3つの質問

遺品整理の捨ててはいけないものでよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

質問①処分に迷った遺品はいつまで保管すればよいですか?

理想的には、相続税の申告期限である「故人が亡くなってから10か月以内」を目安に結論を出すべきです。この期間であれば、遺産の総額が確定し、家族間での話し合いも記憶が鮮明なうちに進められます。

国税庁の規定を確認しつつ、期限内に整理が終わらない場合は、トランクルームなどを活用して物理的なスペースを確保する方法も1つの手段です。

参考:No.4205相続税の申告と納税|国税庁

なお、遺品整理の時期については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:遺品整理の最適な時期はいつ?後悔しないための3つのタイミングをご紹介!

質問②賃貸物件の退去期限が迫っている場合はどうすべきですか?

大家さんや管理会社に事情を話して、数日程度の延長が可能か交渉するのが最初のステップとなります。どうしても間に合わない場合は、専門の遺品整理業者に「貴重品の捜索」を依頼しながら一気に片付ける方法が効率的です。

焦って自分ですべてを捨ててしまうと、大切な権利証までゴミに出してしまうリスクが高まります。費用は発生しますが、専門家の目を入れると、最終的な損失を最小限に抑えられます。

質問③デジタル遺品のパスワードがわからない時の対処法は?

まずはパソコンやスマートフォンの周辺、手帳の末尾などにメモが残されていないか徹底的に探してください。それでも見つからない場合は、端末のメーカーやキャリアに死亡診断書のコピーを提出すると、対応してもらえる可能性があります。

安易にパスワードの入力を何度も繰り返すと、データが完全に消去される設定になっている端末もあるため注意しましょう。データ復旧の専門会社に依頼する方法が、確実かつ安全な方法です。

遺品整理で故人の思いを未来へつなごう!

遺品整理で故人の思いを未来へつなごう!

遺品整理は単なる不用品の処分ではなく、故人の人生を振り返り、その思いを整理して未来へとつなげる大切なプロセスです。正しい知識を持って整理に臨むことで、心に余裕が生まれ、前向きな気持ちで新たな生活をスタートさせられます。

適切な判断基準を持つことは、自分の将来を守ることにも直結します。以下のポイントを意識して、遺品整理を円滑に進めていきましょう。

  • ポイント①相続手続きに必要な書類を最優先で確保する
  • ポイント②家族間での合意形成を丁寧に行う
  • ポイント③プロの査定を利用して経済的な損失を抑える

もし作業が難航したり、感情が追いつかなかったりした場合は、決して1人で抱え込まずに周囲の助けを借りてください。さらに、専門家や業者の手を借りる方法も、故人が望む「家族の平穏」を守るための立派な選択肢となります。

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