2025.11.10

【プロが解説】孤独死の特殊清掃で後悔しないためのステップ

【プロが解説】孤独死の特殊清掃で後悔しないためのステップ

「親や親戚が孤独死していた」と連絡を受けて、遠方から駆けつけようにも何から手をつければいいか分からず、動揺と悲しみで困惑してしまう方は少なくないでしょう。

孤独死現場の原状回復は、専門知識を持つプロの特殊清掃業者に任せる方法が最善の選択です。なぜなら、以下のようなリスクを伴うからです。

  • リスク①精神的ショックと感染症
  • リスク②床下まで染み込んだ体液と強烈な臭い
  • リスク③遠方からの対応と遺品整理の負担

落ち着いて、本記事で紹介したステップを確認して、進めましょう。

本記事では、孤独死の特殊清掃で直面するリスクや費用相場や作業内容について解説します。また、特殊清掃の費用が高額になる要因やよくある質問も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者

孤独死の特殊清掃で直面する3つのリスク

孤独死の特殊清掃で直面する3つのリスク

孤独死の特殊清掃を依頼する際のリスクを紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

リスク①精神的ショックと感染症

身内の孤独死に直面すると、計り知れないほどの精神的ショックを伴います。特に発見が遅れた場合、目を覆いたくなるような状況も少なくありません。 

自分で清掃しようと試みるのは、精神的な負担だけでなく、感染症のリスクも非常に高いため避けるべきです。血液や体液、腐敗による汚染箇所には、深刻な感染症を引き起こす病原菌が存在する可能性があります。

専門業者による適切な消毒と防護措置が不可欠です。

リスク②床下まで染み込んだ体液と強烈な臭い

孤独死の現場で最も困難なのが、強烈な腐敗臭と、床下まで染み込んだ体液の除去です。市販の消臭剤や清掃用品では、これらに対応できません。

臭いの元は表面だけではありません。床板や壁紙の裏側、さらにはコンクリートの基礎部分にまで達している場合も多いため、根本的な除去が必要です。専門業者は、汚染された建材の解体・撤去を行います。

さらに、オゾン脱臭機などの専用機材を使用し、臭いの原因物質を分子レベルで分解・除去します。

リスク③遠方からの対応と遺品整理の負担

遺族が遠方に住んでいる場合、現場の確認や業者との打ち合わせに何度も往復するのは、時間的にも体力的にも大きな負担です。また、特殊清掃に加えて故人の遺品整理も必要になるケースがほとんどです。 

多くの専門業者は、鍵を預ければ立ち会いなしでの作業に対応しています。見積もりから作業完了報告、貴重品の探索や遺品の仕分けまでを一括して任せられる業者を選ぶと、遺族の負担軽減につながるでしょう。

なお、失敗しない遺品整理業者の選び方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:失敗しない遺品整理業者の選び方は?チェックすべき8つのポイントをご紹介! | ビリーフ株式会社

孤独死の特殊清掃で後悔しないための3つのステップ

孤独死の特殊清掃で後悔しないための3つのステップ

孤独死の特殊清掃で後悔しないために、3つのステップを紹介します。ぜひ参考にしてください。

ステップ①警察の現場検証を待つ

遺体が発見された場合、警察による現場検証と検視が行われます。事件性の有無が確認されるまで、部屋の清掃や遺品整理は一切できません。 

管理会社や大家さんから清掃を急かされたとしても、必ず警察の許可が下りてから特殊清掃業者を手配するようにしてください。 許可が下りるまでの間に、特殊清掃業者を探し始めるとスムーズでしょう。

ステップ②信頼できる特殊清掃業者へ相見積もりを依頼

特殊清掃は料金体系が不透明な業者も多く、高額請求のトラブルが後を絶ちません。必ず複数の業者から見積もり(相見積もり)を取りましょう。

特殊清掃業者は公的な資格制度がなく、誰でも開業できるため、技術力や倫理観に大きな差があります。見積書の内訳は「一式」ではなく、作業内容(汚染除去、消臭、解体など)ごとに細かく記載されているか確認してください。また、質問に対して明確に答えてくれるかも確認するのが大切です。

ステップ③遺品整理と原状回復(消臭・消毒)を依頼

多くの孤独死現場では、遺品整理も必要になります。特殊清掃と遺品整理を別々の業者に頼むと、費用が割高になるだけでなく、手続きも煩雑になってしまうでしょう。

特殊清掃と遺品整理の両方を専門に扱っている業者に一括で依頼すれば、費用を抑えられます。 依頼の際は、故人の貴重品や思い出の品を探し出し、丁寧に扱ってくれるかどうかも確認しましょう。

なお、遺品整理と特殊清掃の違いについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:遺品整理と特殊清掃の違いとは?特殊清掃が必要な理由や費用相場をご紹介! | ビリーフ株式会社

孤独死の特殊清掃の費用相場と作業内容

孤独死の特殊清掃の費用相場と作業内容

孤独死の特殊清掃費用は、部屋の広さ、汚染状況、発見までの日数によって大きく変動します。あくまで目安ですが、遺品整理を含まない場合の基本的な特殊清掃費用の相場を紹介します。 

特殊清掃は「定価」がないサービスです。現場の状況によって金額が数十万円単位で変わると理解しておきましょう。

◆特殊清掃の費用相場(目安)

間取り

費用

作業例

ワンルーム/1K

50,000円 ~ 300,000円

汚染箇所の清掃・消毒、簡易消臭

1LDK/2DK

150,000円 ~ 500,000円

床上清掃、消臭、害虫駆除

2LDK/3DK

250,000円 ~ 800,000円

全体清掃、オゾン脱臭、リフォーム

上記の作業に加えて、遺品整理費用(間取り×数万円)や、床材・壁紙の張り替えなどのリフォーム費用が別途発生するケースがほとんどです。

孤独死の特殊清掃費用が高額になる3つの要因

孤独死の特殊清掃費用が高額になる3つの要因

特殊清掃の見積もりが高額になる要因は、主に3つあります。それぞれ詳しく解説します。

要因①発見までの日数

発見までの日数が経過しているほど、特殊清掃の費用は高額になる傾向です。亡くなってから時間が経つと、血液や体液の浸透が床材の表面だけでなく、床下や壁の内部にまで深く進んでしまいます。

汚染範囲が広がるのに加え、強烈な腐敗臭の発生や害虫の繁殖も進むためです。汚染箇所の特定と除去、消毒、場合によっては解体作業、専用機材による消臭作業の規模が大きくなり、必要な工数と時間が大幅に増加します。

要因②汚染の範囲と建物の構造

汚染が床材や壁紙の表面だけでなく、床下や建物の構造部分にまで達していると清掃費用は跳ね上がります。表面的な清掃では臭いや菌を除去できず、汚染された床板や石膏ボードの解体、撤去、場合によってはコンクリート基礎部分の特殊洗浄やコーティング作業が必要になるのです。

木造家屋は、マンションなどのコンクリート造に比べて体液が浸透しやすいため、大規模な作業になりがちです。

要因③遺品(家財)の量

室内に残された家財道具や遺品の量が多いほど、特殊清掃の総額は高くなります。家財道具そのものに臭いが染み付いたり、体液や汚染が付着したりしている場合が多いためです。

遺品を仕分けし、汚染物として適切に梱包・搬出・廃棄(または供養)する作業時間と処分費用が、清掃費用とは別に必要です。

孤独死の特殊清掃でよくある3つの質問

孤独死の特殊清掃でよくある3つの質問

孤独死の特殊清掃でよくある質問を3つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

質問①特殊清掃は自分でもできますか?

遺族による特殊清掃は、絶対に避けてください。精神的なショックが非常に大きいのが理由の一つです。さらに、血液や体液には様々な病原菌が含まれている可能性があり、感染症のリスクが極めて高いためです。 また、市販の消臭剤では腐敗臭は除去できません。

かえって臭いを広げてしまったり、床下に汚染が残ったままになったりするケースがほとんどです。

質問②近所への挨拶は必要ですか?

孤独死が発生した場合、賃貸物件では管理会社や大家が近隣住民への対応を行うのが一般的です。遺族の精神的負担が大きいため、無理に自分で挨拶回りをする必要はないでしょう。

ただし、業者に清掃を依頼する際、近隣へ配慮した作業(音、臭い、作業時間など)を行ってくれるかを確認しましょう。

質問③費用は誰が支払う場合が多いですか?

孤独死の特殊清掃費用や原状回復費用は、原則として相続人が支払う義務を負います。故人が賃貸物件に住んでいた場合、大家や管理会社から清掃費用を請求されるでしょう。

ただし、故人が火災保険や家財保険に加入していた場合「孤独死(疾病による死亡)」が原因の汚損でも補償対象となる特約(借家人賠償責任特約や個人賠償責任特約など)が付いている可能性があります。故人が加入していた保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせてみましょう。

孤独死の対応はプロに任せ、故人を偲ぶ時間を大切にしよう

孤独死の対応はプロに任せ、故人を偲ぶ時間を大切にしよう!

身内の方の孤独死という現実に直面し、特殊清掃の手配が必要になったご心痛は察するに余りあります。 このような緊急時こそ、自分ですべてを抱え込まず専門家の力を借りましょう。

孤独死の特殊清掃で後悔しないためのステップとして、以下の手順を忘れずに実行してください。

  • ステップ①警察の現場検証を待つ
  • ステップ②信頼できる特殊清掃業者へ相見積もりを依頼
  • ステップ③遺品整理と原状回復(消臭・消毒)を依頼

孤独死の特殊清掃は、単なる清掃ではありません。故人の尊厳を守り、遺族が次に進むための大切なプロセスです。信頼できる業者に任せれば、物理的な問題だけでなく、精神的な負担も軽減できます。まずは専門業者に相談し、一日も早く安心できる日常を取り戻しましょう。

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