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2023.09.01
不動産売却で起こりがちなトラブルとは?回避するための事前対策も紹介!
不動産を売却する場合、スムーズに取引完了させたいものですが、実際にはトラブルが発生する場合があります。大きな金額が動くだけに、トラブル自体に巻き込まれたくないものです。
また、トラブル発生時にどのように回避するのかを理解していくことも重要です。この記事では、不動産売却で起こりがちなトラブルの内容や、回避するための事前対策も紹介します。
不動産売却で起こりがちな8つのトラブル事例
不動産売却で発生しがちなトラブルとして、主に以下8種類があります。
- 仲介手数料に関するトラブル
- 境界線に関するトラブル
- 物件の瑕疵(かし)に関するトラブル
- 物件の設備に関するトラブル
- 管理規約に関するトラブル
- 媒介契約に関するトラブル
- 支払いに関するトラブル
- 契約解除に関するトラブル
各トラブルについて、詳しく解説します。
1.仲介手数料に関するトラブル
不動産売却を進めるにあたり、不動産会社に対して仲介手数料を支払う義務があります。仲介手数料は法律で厳格に決まっており、売却金額に応じて以下の上限額が設定されています。
売却金額 |
仲介手数料上限 |
200万円以下の金額 |
取引額の5% |
200万円超400万円以下の金額 |
取引額の4% |
400万円超 |
取引額の3% |
悪徳な業者の場合、不当に高い仲介手数料を請求されるケースがあるのです。仲介手数料は、売買契約が成立した段階、または売買契約時と決済、引き渡し時の2回に分けて支払うケースが一般的です。
もし、上記より前のタイミングで請求された場合、支払う義務はないため注意してください。
2.境界線に関するトラブル
土地を売却するにあたって、境界線の確認が非常に重要です。自分がここまで境界線だと思っていたものが、実は近隣住民からすると違う境界線を主張して、トラブルに発展するケースがあります。
不動産取引においては、以下の2種類が存在します。
- 公簿取引:登記記録に記載された土地面積に基づく
- 実測取引:実測による土地面積に基づく
通常は実測取引が主流となりますが、公募取引の場合は境界線が曖昧であり、過去の実績を適用しようとしても正しくない可能性があります。これにより、実測した際に境界線が合わないためトラブルになるケースがあるのです。
3.物件の瑕疵(かし)に関するトラブル
不動産売却において、瑕疵に関するトラブルも多いです。不動産売却における瑕疵担保責任とは、売買契約を交わした後の物件や土地で欠陥などが発見された場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
民法においては、買主が瑕疵を把握して1年以内に申請すれば、売主が瑕疵担保責任を負うこととしています。ただし、実際には経年劣化による不具合の可能性もあるため、瑕疵期間は3か月程度とされる場合が多いです。
売り手側としては、瑕疵が発生しないようにしっかりと確認して売却する必要があります。ただし、隠れた瑕疵を発見するのは難しく、結果として瑕疵責任を問われて大きな負担をしなければならないケースがあります。
4.物件の設備に関するトラブル
不動産売却時に必要となるものとして、付帯設備表があります。付帯設備表とは、不動産に付属している設備にはどのようなものがあるのか、そして状態を明らかにしたものです。
付帯設備表を適切に作成していれば、もし売却した後に設備が故障した場合でも経年劣化によるものかどうかを明確にできる場合が多いです。一方で、付帯設備表が適切に作成されていない場合、設備が故障した場合に瑕疵責任が発生する可能性があります。
不動産売却において、以上のように物件の設備に関するトラブルが発生するリスクがあります。特に、以下の設備に関するトラブルが発生しがちですので注意してください。
- 給湯関係
- 水まわり関係
- 空調関係
5.管理規約に関するトラブル
マンションを売却する場合に発生する可能性があるのが、管理規約に関するトラブルです。管理規約とは、区分所有法に従って作成される、所有者相互間の関係を定めるための規則です。
管理規約を作成することは法律上決まっていることですが、その詳細な内容は各マンションによって異なります。管理規約では、リフォームなどに関することが定められており、壁が汚れたので張り替えたい場合でも管理規約で禁止されている場合があります。
また、管理規約ではペットに関する決まりを定めている場合も多いです。売却する側と買主との間で管理規約に関する解釈の齟齬があると、売却した後にトラブルに発展する可能性があります。
6.媒介契約に関するトラブル
不動産売却をおこなう際の媒介契約とは、宅地建物取引業者が不動産を売却したい人または売買の当事者の双方との間で締結する契約のことです。この媒介契約に関しても、トラブルが発生するケースが多いです。
特に、囲い込みと呼ばれる不動産会社が売却側と買主の両方から仲介手数料を徴収するために、物件の情報を公開することなく他社からの問い合わせや紹介を制限するケースがあります。これは、買主を自分で探すことができない専属専任媒介契約の場合に発生します。
囲い込み行為があると、売却活動が遅延したり、物件が安価で売らなければならなかったりして、売却したい側にとってはマイナスでしかありません。また、なかなか売却先が見つからないため、長い時間がかかってしまうデメリットもあります。
7.支払いに関するトラブル
無事売却契約を締結したとしても、安心はできません。契約を交わしたとしても、買主から支払いがおこなわれないケースがあるのです。
なぜ支払いがおこなわれないかと言えば、多くがローン審査に落ちてしまい資金を調達できなくなった場合です。このケースでは、売却する側と買主の間で手付金の返却や媒介契約の取り扱い、残金の支払いに関してトラブルとなります。
もし支払いが不可能となれば、契約を解除して新たな売却先を探さなければならず、手間がかかってしまいます。
8.契約解除に関するトラブル
不動産売却に関するトラブルの中でも、多いのが契約解除に関するトラブルです。不動産売却に関して、専門的な知識が必要となるため、売り手側としても買い手側としても理解できていない状態で契約を結ぶケースが多いです。
通常は、不動産会社が専門的な知識をもって適切な契約を結ぶように仲介することになります。ただし、悪意がある不動産会社を選ぶと、不動産会社にとって有利になるような契約を結ばされたり、通常は契約書で明確にすべき内容が欠落したりするなどのトラブルが発生しがちです。
不動産売却でトラブルを回避するための5つの事前対策
不動産売却において、トラブルに巻き込まれないようにするためには、事前対策が必須です。特に、以下5つの事前対策を実施してください。
- 信頼できる不動産会社を探す
- 不動産売買の知識をつける
- 瑕疵担保責任について理解する
- 契約内容は詳細に書面化する
- 契約解除についても予め確認する
各対策について、詳しく解説します。
1.信頼できる不動産会社を探す
不動産会社によっては、利用者にとって不利益となる行動を取る場合があります。これは、自社がより多くの利益を出すために、場合によっては利用者を騙すような形で話を進める場合があるためです。
よって、信頼できる不動産会社に売却を依頼することが重要です。信頼できる不動産会社を探す方法としては、口コミを参考したり実際にスタッフの対応を確認したりする方法があります。
一社だけに限定せず、幅広い不動産会社を候補として取り上げ、比較した上で最適な不動産会社を選定してください。不動産会社で一括査定を受ける場合に利用したいサイトについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:不動産売却におすすめ|人気の不動産一括査定サイト20選をご紹介!
2.不動産売買の知識をつける
不動産売却を進める上で、ある程度自分自身で不動産売却に関する知識をつけて臨むようにしてください。不動産売却に関する知識がないと、不動産会社が進めている行動の妥当性を評価できないためです。
不動産会社によっては、依頼者が知識がないと自社の利益に繋がるような行動を取る可能性があります。そこで、不動産売却に関する知識を持っていれば、もし怪しい行動を取った場合でも問い合わせて不利になるような行動を是正できる場合があります。
また、知識があればスムーズに売却を進めることができるため、基本的な知識をつけて不動産売却を進めてください。
3.瑕疵担保責任について理解する
2020年に民法が改正されて、不動産売却において売主の瑕疵担保責任が廃止されて、新たに契約不適合責任という責任を売主に課されるようになりました。これにより、従来の瑕疵担保責任よりも多くの範囲に対して責任を負わなればならなくなったのです。
契約不適合責任では、売主が売却した不動産が契約内容に適合しているかを問われます。不動産売却する際には、契約不適合責任について正しく理解して、適切に対応することが望まれます。
4.契約内容は詳細に書面化する
不動産売却に限らず、契約を結ぶ際に口約束でおこなうのは危険です。口約束では、どうしても言った・言わないということになり、トラブルの元となりがちです。
そこで、契約内容は詳細に書面化することが重要となります。特に、重要事項説明などにおいて設備機器の有無についてチェックしますが、書面化することで後々トラブルに発展するリスクを回避できます。
5.契約解除についても予め確認する
不動産売買を進める中で、契約した後にトラブルに発展する場合もあります。この場合、基本的には売買契約書の内容に従って話し合いがおこなわれます。
売主としては、売買契約書を見る機会が少なく、どのようなことが記載されているのかを意外と把握していないものです。すべてを把握することは難しいものですが、契約解除に関連する内容のチェックだけであればさほど大変ではありません。
契約解除の詳細について予めチェックしておき、いざ契約解除となる場合に正しい行動が取れるように準備してください。
不動産 売却 トラブルに関するよくある質問
ここでは、不動産売却時に発生するトラブルに関する、よくある質問について解説します。
質問1.トラブルが起きた場合どこに相談すれば良い?
不動産売却時にトラブルが発生した場合、自分自身では解決できないケースが多いです。そこで、専門家にサポートを依頼してトラブルを解決するのがおすすめです。
ただし、不動産売却の各ステップで相談先が以下のように異なります。
相談内容 |
相談先 |
不動産売却の流れや査定の相談 |
不動産会社 |
不動産売却の価値に関する相談 |
不動産鑑定士 |
不動産売却の税金に関する相談 |
税理士 |
境界や測量に関する相談 |
土地家屋調査士 |
登記変更や権利に関する相談 |
司法書士 |
相続や財産分与に関する相談 |
弁護士 |
任意売却に関する相談 |
金融機関 |
農地売却に関する相談 |
行政書士 |
相談先に悩む場合 |
無料相談サービス |
不動産売却に関する悩みの相談については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】不動産売却の悩みはどこに相談すればいい?内容別に専門家を詳しく解説!
質問2.安心して任せられる不動産会社選びのポイントを知りたい。
不動産売却を進める上で、信頼できる不動産会社を選んで依頼できるかがポイントです。そこで、不動産会社を選ぶ際には以下のようなポイントで選定してください。
- 売却エリアの情報に精通している
- 売却実績が豊富である
- 査定額に根拠がある
- 対応がスピーディーである
- アドバイス力がある
- 担当者が親身になってくれる
- 免許番号や行政処分歴に問題がない
- インターネット広告に力を入れている
不動産売却を依頼する場合の業者の選び方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】不動産売却はどこがいい?特徴や信頼できる業者選びのポイントを徹底解説!
質問3.不動産の売却にかかる仲介手数料の相場が知りたい。
不動産売却時には、仲介手数料を負担しなければなりません。仲介手数料の上限は法律で決まっており、先に紹介したとおりです。
売却価格における仲介手数料の早見表を紹介すると、以下のようになります。
売却価格 |
仲介手数料(税込) |
100万円 |
55,000円 |
400万円 |
198,000円 |
1,000万円 |
396,000円 |
2,000万円 |
726,000円 |
3,000万円 |
1,056,000円 |
4,000万円 |
1,386,000円 |
5,000万円 |
1,716,000円 |
1億円 |
3,366,000円 |
不動産売却にかかる仲介手数料については、以下の記事でより詳しく解説しています。
関連記事:不動産の売却にかかる仲介手数料とは?相場や計算方法をわかりやすく解説!
まとめ
不動産売却を進める中で、大小問わず様々なトラブルに直面するものです。小さなトラブルであれば自分で対処できますが、大きなトラブルの場合は専門家にサポートしてもらわなければならない場合もあります。
今回紹介したような注意点を意識して、トラブルに発展しないように注意するとともに、トラブルが発生した場合でも被害を最小限に抑えるように対応してください。なお「ビリーフ株式会社」は不動産の買取・仲介だけではなく、不動産に関するさまざまなご相談を承っております。
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