2024.05.11

離婚時に家のローンで確認すべきポイントは3つ|売却や財産分与の方法も詳しく解説します!

離婚時に家のローンで確認すべきポイントは3つ|売却や財産分与の方法も詳しく解説します!

離婚を考えているご夫婦で、家のローンについて悩まれている方もおられるのではないでしょうか。離婚する場合には、名義の変更や金融機関への連絡など、さまざまな手続きが必要になります。

本記事では、離婚時に家のローンで確認すべきポイント、売却や財産分与の方法、注意点について解説します。また、離婚時の家のローンでよくある質問についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

監修者

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離婚時に家のローンで確認すべきポイントは3つ

離婚時に家のローンで確認すべきポイントは3つ

離婚時に家のローンで確認すべきポイントについて解説します。

  • 名義人
  • 残債額
  • 契約内容

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.名義人

住宅を購入した際の売買契約書や登記簿を確認し、誰が名義人であるかを明確にします。万が一、登記簿が手元にない場合は、最寄りの法務局で登記事項証明書を取得しましょう。

登記簿に記載されている名義人のみが、住宅を売却する権利を持ちます。夫婦が共同で名義を持っている場合、離婚によってどちらか一方が住み続ける際には、名義を単独名義に変更する必要があります。

2.残債額

残債額は、金融機関から毎年送付される残高証明書や、住宅ローン契約時に受け取る返済予定表で把握できます。また、金融機関の窓口やインターネットバンキングで確認が可能ですが、ネットサービスへの登録が必要です。

住宅ローンの残債が家の売却額を下回る場合、「アンダーローン」と言って、売却によりローンを完済し利益を得ることができます。一方、売却額が残債をカバーできない場合は「オーバーローン」と呼ばれ、不足分をほかの資金で補わなければなりません。

3.契約内容

次に、契約内容について解説します。

  • 連帯保証人の場合
  • 連帯債務者の場合
  • 連帯保証人でも連帯債務者でもない場合

それぞれについて詳しくみていきましょう。

連帯保証人の場合

夫婦のどちらかが住宅ローンの債務者であり、もう一方が連帯保証人となっている場合、離婚後も連帯保証人は法的に責任を持ち続けます。連帯保証人は、債務者がローンの返済を滞らせた際に、支払う義務が発生します。

そのため、契約書を詳細に確認し、どちらが連帯保証人であるかを明らかにすることが重要です。また、連帯保証人の責任範囲や、離婚に伴う契約の変更可能性についても、法的なアドバイスを受けるようにしましょう。

連帯債務者の場合

離婚時に連帯債務者としての住宅ローン契約がある場合、両方の当事者が同等の返済義務を持つ点に注意が必要です。夫婦はローンに対して共同で責任を負い、一方が支払いを怠ると他方にも法的責任がおよびます

そのため、離婚に伴う財産分与を進める際には、連帯債務者としての立場を理解し、ローンの管理方法を明確に決めることが大切です。また、ローンの再契約や一方が完全に返済義務を引き受けることに合意する場合は、金融機関との相談が必要になります。

連帯保証人でも連帯債務者でもない場合

離婚時に家のローンで連帯保証人や連帯債務者でもない場合、住宅ローンの支払い義務は生じません。名義が一方の配偶者にのみある場合、その人がすべての返済責任を負います。

しかし、財産分与においては、ローンの残債分が負の財産として扱われるため、直接的な請求はできません。それでも、両者が合意に至る場合、一方が住宅ローンの債務者へ支払うよう取り決めることが可能です。

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離婚時に家のローンが残っている場合に生じるリスクは3つ

離婚時に家のローンが残っている場合に生じるリスクは3つ

次に、離婚時に家のローンが残っている場合に生じるリスクについて解説します。

  • 住宅ローンの支払いが滞る
  • 約束の期限内に退去しない
  • 無断で家を売却される

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.住宅ローンの支払いが滞る

夫が家を出て行った後に妻と子どもが住み続ける場合、夫が経済的または精神的な理由で支払いを滞らせるケースは珍しくありません。支払いが滞ると、家族は強制退去のリスクに直面し、住む場所を失う可能性があります。

リスクを回避するためには、離婚時の協議で住宅ローンの支払義務や財産分与などを明確に取り決め、離婚協議書に公的に記録するようにしましょう。

2.約束の期限内に退去しない

離婚時に家のローンが残っている状況で、特定の期限まで非名義人が家に住み続けている場合は、リスクが生じます。たとえば、子どもの卒業や妻の再就職などを期限にする場合、期限が過ぎた後も経済的な理由から家を退去しないケースがあります。

このようなリスクを避けるためには、家の使用権限や使用期限を明記した離婚協議書の作成が不可欠です。

3.無断で家を売却される

家の名義人が配偶者である場合、何の相談もなく家を売却する可能性があります。このような状況は、オーバーローンの状態で、住宅ローンの完済が動機にある場合が多いです。

無断で売却された場合、家を失い、非名義人である妻や子どもは退去を余儀なくされます。このリスクを防ぐためには、離婚協議書に夫が無断で家を売却しない旨を明記することが有効です。

また、離婚前に家の名義を変更し、非名義人の配偶者に権利を移すことも対策の1つです。

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離婚後にローンを完済し家を売却する方法

離婚後にローンを完済し家を売却する方法

次に、離婚後にローンを完済し家を売却する方法について解説します。

  • アンダーローンの場合
  • オーバーローンの場合
  • ペアローンの場合

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.アンダーローンの場合

アンダーローンの場合、売却額がローン残高を上回るため、ローンの完済後に余剰金が生じます。この余剰金は、離婚に伴う財産分与の対象です。

財産分与には、「清算的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」の3種類があります。通常、清算的財産分与が適用され、夫婦が共に築いた財産を公平に分割します。

この分割に際しては、双方の生活保証や過去の貢献度を考慮し、公平な分配が不可欠です。

2.オーバーローンの場合

離婚後にオーバーローンの状況で家を売却する場合、ローンの残債が売却額を超えるため、追加資金が必要です。自己資金が不足している時は、オーバーローンが解消されるまで住宅ローンの支払いを続けるのが一般的です。

しかし、支払いを続けるのが難しい場合、売却条件をある程度調整する「任意売却」が検討できます。しかし、この方法は信用情報に影響を及ぼし、将来的に新たなローンを組む際の障害となります。

3.ペアローンの場合

ペアローンの特徴は、夫婦が共に債務者である点です。夫と妻がそれぞれの債務を負担し、同時に互いの連帯保証人となるため、家の売却には両者の合意が不可欠です。

このような状況で、アンダーローンの場合は売却手続きが比較的スムーズですが、オーバーローンの状態では、住宅ローンの完済が前提となるため、家の売却が難しくなります。

そのため、ローンの完済まで、夫婦は債務者だけでなく、連帯保証人としても互いに責任を持つ必要があります。

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離婚後も家に住み続ける場合の財産分与の方法

離婚後も家に住み続ける場合の財産分与の方法

次に、離婚後も家に住み続ける場合の財産分与の方法について解説します。

  • アンダーローンの場合
  • オーバーローンの場合

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.アンダーローンの場合

前述したとおり、アンダーローンでは家の売却額が住宅ローン残高を超えるため、売却による利益が生じます。この利益は財産分与の対象となります。

そのため、家に住み続ける人が家を離れる相手に、売却利益の半額を前払いで分配するケースが一般的です。このような取り決めにより、家を離れる側にも経済的な公平性を確保できます。

2.オーバーローンの場合

オーバーローンでは、複雑な対応が必要になります。主な対応方法については、以下のとおりです。

  • 夫が住む場合

夫はローンの主たる債務者として残債の支払いを続け、妻は取り決めに基づいて夫に定期的に資金を提供する。妻が子どもの親権を持つ場合、養育費と住宅ローンの費用を相殺できる

  • 妻が住む場合

一般的には、債務者である夫がローンの支払いを継続し、妻は夫との合意に従って夫に定期的に資金を提供する。夫が支払いを滞納するリスクを防ぐためには、住宅ローンの借り換えや名義変更が有効な対策となる

これらの対策には詳細な取り決めと法的アドバイスが求められるため、専門家との相談が不可欠です。

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離婚時の住宅ローンに関する注意点は3つ

離婚時の住宅ローンに関する注意点は3つ

次に、離婚時の住宅ローンに関する注意点について解説します。

  • 売却には共有名義人の承諾が必要になる
  • 例外的に名義変更が可能となる
  • 養育費でローンの負担額が考慮される

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.売却には共有名義人の承諾が必要になる

家を売却するには両者の承諾が必要になるため、共有名義のまま、片方の同意のみで売却することはできません。そのため、離婚が決まった際は、家の名義をどちらか一方の単独名義へ変更するのがおすすめです。

名義を変更しておかないと、将来的に売却を検討した際に相手との連絡が取れず、売却自体が困難になるリスクがあります。

2.例外的に名義変更が可能となる

住宅ローンの名義変更は難しいとされていますが、例外的に可能なケースもあります。離婚後、家に住み続ける新しい名義人が設定される場合、金融機関から名義変更が認められるケースがあります。

しかし、これには、新しい名義人がローンの返済を継続できるだけの安定した収入と確かな返済能力を有していることが不可欠です。金融機関は、新しい名義人の財務状況を詳細に検討したうえで、返済リスクを低減できると判断した場合にのみ、名義変更を承認します。

なお、住宅の名義変更については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:【プロが教える】家の名義変更とは?手続きの流れや必要書類、費用について徹底解説!

3.養育費でローンの負担額が考慮される

住宅ローンの返済が残っている場合、ローンの返済を養育費の計算に入れるのが一般的です。たとえば、夫が妻に養育費を支払うと同時に、妻が住む家のローンも引き続き支払う場合、ローンの支払いが養育費の一部として扱われます。

さらに、ローンの返済額が高い場合、養育費の総額を減額して調整するケースもあります。

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離婚時の家のローンでよくある3つの質問

離婚時の家のローンでよくある3つの質問

最後に、離婚時の家のローンでよくある質問について紹介します。

  • 質問1.家のローンは借り換えした方が良い?
  • 質問2.離婚したら銀行への報告は必要?
  • 質問3.家のローンと養育費は相殺できる?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

質問1.家のローンは借り換えした方が良い?

家のローンの借り換えを検討することは、トラブルを避けるために有効です。住宅ローンの名義人と実際に住んでいる人が異なる状況では、支払いに関する問題が生じやすくなります。

そのため、名義人を住む人に変更するのがおすすめです。さらに、もし住宅ローンの連帯保証人が元配偶者である場合、関係を解消し、新しい条件でローンを借り換えるのが望ましいです。

質問2.離婚したら銀行への報告は必要?

離婚した場合、銀行に対して婚姻状況の変更を報告する必要があります。住宅ローンなどの契約時に提出した情報に変更が生じた場合、その更新を怠ると契約違反と見なされる可能性があります。

さらに、銀行から残債の一括返済を求められるリスクもゼロではありません。そのため、氏名や住所の変更だけでなく、婚姻状況の変化も適切に銀行に報告し、契約内容を最新の状態に保つことが大切です。

質問3.家のローンと養育費は相殺できる?

家のローンの支払いと養育費の相殺については、夫婦間での合意が必要です。たとえば、夫が家のローンを支払い、妻と子どもが家に住み続けている場合、両者の合意があれば、ローンの支払いを養育費の一部として扱えます。

ただし、これを夫が養育費の支払いを避ける手段として利用することは許されません。このような取り決めは、後々の誤解やトラブルを防ぐためにも、公正証書による正式な記録が推奨されます。

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まとめ

まとめ

本記事では、離婚時に家のローンで確認すべきポイント、売却や財産分与の方法、注意点について解説しました。

夫婦が共同名義である場合は、住み続ける方の名義へ変更が必要です。さらに、契約内容についても見直して変更しなければなりません。また、残債高を確認し、返済が残っている場合と完済して売却する場合では対応が違うため、これらの適切な対応に注意しましょう。

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