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2024.04.13
【プロが教える】実家が空き家になったらどうする?放置するリスクや対処法を徹底解説!
相続しても住むことができず、実家が空き家になってしまうケースは珍しくありません。しかし、空き家はそのまま放置しておくとさまざまな問題が生じるため注意が必要です。
この記事では、実家が空き家になってしまうケースや、放置する理由とリスクについて詳しく解説します。実家が空き家になったときの対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
実家が空き家になってしまう3つのケース
実家が空き家になってしまうケースには、主に次の3つが考えられます。
- ケース1.親が要介護・要支援状態になった
- ケース2.親の判断能力に問題が生じた
- ケース3.親が急逝した
項目ごとに詳しくみていきましょう。
ケース1.親が要介護・要支援状態になった
親が高齢になり、病気や事故で自立した日常生活を送るのが困難になることがあります。脳卒中、認知症、骨折や転倒などの問題は、介護や支援を必要とする状況へとつながり、結果として入院や家族のもとへの転居、または介護施設への入居が避けられなくなります。
このように、親が要介護・要支援状態になり、急に実家が空き家になってしまうケースは少なくありません。
ケース2.親の判断能力に問題が生じた
親の判断能力に問題が生じるケースとは、具体的には認知症や高齢による判断力の低下などが該当します。こういった状況下では、実家の保全や管理が適切に行われず、結果的に実家が空き家となってしまうことも珍しくはありません。
親の意識が曖昧であることから、子どもたちが介入しても親の了承を得られず、結果的に家が放置されるという状況が生じやすいのです。
ケース3.親が急逝した
突然のお悔やみは、精神的なショックだけではなく、実家の管理についても頭を悩ませることとなります。
まず、親の急逝後に直面する課題は、遺産分割です。相続人が複数いる場合、誰が空き家の管理責任を負うのか、どのように利用するのかなど、全員が合意しなければなりません。
相続の協議や手続きは、大半が長期化しやすい傾向にあるため、その期間は実家が空き家の状態になってしまうのです。
空き家をそのまま放置する3つの理由
続いて、空き家をそのまま放置する人が多い理由を解説します。主に次の3つが挙げられます。
- 理由1.処分に費用がかかるため
- 理由2.固定資産税を軽減するため
- 理由3.思い出を残しておくため
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
理由1.処分に費用がかかるため
空き家を売却するには、固定資産税や登記費用、仲介手数料などの費用が発生します。しかも、古い建物であればあるほど、価値が下がってしまうため売却価格が期待できない場合があります。
また、取り壊して更地にするという選択肢もありますが、これにも解体費用という大きなコストが必要です。そして、空き家をリフォームして再利用するとしても、これも改装費用がかかるためすぐには手を出せないという人が多いのも事実です。
以上のように、空き家をそのまま放置する背景には、処分や再利用に伴う費用負担が大きな要因となっていることがあります。
理由2.固定資産税を軽減するため
空き家を放置する背景には、固定資産税の軽減措置が大きく関わっています。
住宅用地特例という制度を利用すると、200平方メートル以下の住宅用地については固定資産税が6分の1に、200平方メートルを超える部分は3分の1に減税されます。そのため、空き家を保持することが、更地にするよりも税金面で有利になるのです。
しかし、2015年の「空家等対策の推進に関する特別措置法」施行以降、倒壊のリスクがある空き家は特定空家とみなされ、これらの軽減措置が適用外となりました。この法律により、空き家の所有者は適切な維持管理が必要になっています。
理由3.思い出を残しておくため
実家は、さまざまな思い出が詰まった大切な場所です。そのため、空き家化してしまっても思い出のために放置する、という選択をする人も少なくありません。
しかし、建物は定期的なメンテナンスが必要な存在であり、放置しておくと老朽化が進行し、最悪の場合、倒壊する可能性があります。さらに、使われていない家は周囲にとっても見苦しい存在になりかねません。また、放置されている家は犯罪の対象になることもあります。
「思い出を残す」という気持ちは大切ですが、それを実現する手段は必ずしも空き家を放置することだけではありません。
実家を空き家のまま放置しておくリスクは4つ
実家を空き家のまま放置しておくのはリスクが伴います。主に次の4つが挙げられます。
- 維持費がかかる
- 近隣住民とのトラブルにつながる
- 犯罪者の拠点にされやすい
- 資産価値が下がる
項目ごとに詳しくみていきましょう。
1.維持費がかかる
実家を空き家として放置すると、避けられないのが維持費です。これらは、固定資産税や都市計画税、さらには災害保険料などの公共料金に加え、日々のメンテナンス費用も含まれます。
特に冬期間の水道管凍結防止対策や老朽化による修繕費用は、見落としがちですが、費用として大きく跳ね上がる可能性があります。維持費用をきちんと見越して、何らかの対策を講じていくことが大切と言えるでしょう。
2.近隣住民とのトラブルにつながる
空き家が近隣住民とのトラブルにつながることは少なくありません。
たとえば、放置された庭の草木です。これらは放っておくと、視界を遮り、風通しを悪化させ、害虫の発生源となります。また、空き家が老朽化し、建物や塀が傾き、倒壊の危険性も高まります。
最悪の場合、法的手段に訴えられることもありますし、精神的ストレスも無視できません。したがって、実家が空き家になった際は、近隣住民とのトラブルを避けるためにも、適切な処分や管理が必要です。
3.犯罪者の拠点にされやすい
実家が空き家となると、その存在自体が近隣の治安を悪化させる原因となることがあります。長期間にわたり無人となると、人目を忍ぶ犯罪者にとっては理想的な隠れ家です。
特に、次のような問題が発生する可能性があります。
- 窃盗団の隠れ家:窃盗団やその他の犯罪者が潜伏する場所として使われることがあります。
- 不法占拠:特に都市部では住む場所を求める人々によって勝手に居住されることがあります。
- 放火のリスク:放火魔により放火の対象にされ、周囲の住民に被害を及ぼす可能性があります。
これらのリスクは、空き家の管理が適切に行われていない場合に高まります。鍵の管理や不審者の侵入チェック、定期的な内部検査など、空き家を放置しない管理体制が重要です。
4.資産価値が下がる
空き家は、放置され続けるほど資産価値が下がる傾向にあります。なぜなら、建物が老朽化してくると、その修繕費用が増えてしまうからです。
また、長時間無人となる空き家は、周囲の景観を損なう要素ともなり、地域全体の資産価値を下げる恐れもあります。したがって、実家を有効活用するには、早めの対策を講じることが重要です。
実家が空き家になったときの対処法は6つ
実家が空き家になったときにどのように対処すればよいでしょうか。ここでは、対処法を6つ紹介します。
- 売却する
- 賃貸に出す
- 更地にして土地活用する
- 管理会社に委託する
- 別荘にする
- 相続放棄する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.売却する
実家が空き家となった際の対処法のひとつとして、「売却」という選択肢があります。
売却により一時的ではありますが、大きな収益を得ることが可能です。その一方で、売却には手間と時間がかかる、また適正な価格で売却するための市場価格の把握が必要となる点を理解しておかなければなりません。
まずは、不動産の評価額を専門家に依頼し、適切な価格設定を行うことが重要です。不動産会社に査定を依頼して、適正な価格を知ることから始めましょう。
2.賃貸に出す
実家が空き家になった場合、次なる対策として考えられるのが「賃貸に出す」方法です。これにはいくつかのメリットが存在します。
まず、一番大きなメリットは収入を得られる点です。月々の家賃収入により、空き家の維持費用や固定資産税を補うことが可能になります。
また、家の状態を保つためには定期的な使用が望ましいとされています。賃貸に出すことで定期的に使用されるため、建物の劣化も防ぐことも可能です。
3.更地にして土地活用する
建物を取り壊し、土地を活用する方法です。
たとえば、駐車場や広告看板の設置による賃貸事業が考えられます。これらは定期的な収入源にもなりますし、長期的に見ても資産価値が下がらない点で安心感があります。
また、地域によっては農地転用やコミュニティ広場などの公共施設としての活用も可能です。これらは地域社会への貢献につながるだけでなく、地方自治体からの補助金なども期待できます。
ただし、土地活用には適切な計画と準備が必要です。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、きちんと比較検討し、専門家の意見も求めましょう。
4.管理会社に委託する
遠方に住んでいるなど、自分たちで空き家の管理が難しい場合、管理会社へ委託するのも手段のひとつです。
具体的な業務内容は、定期的な建物の点検や不法侵入者対策、草木の管理といった日常的な維持管理だけではなく、必要に応じた修繕工事の手配や、災害時の対応、賃貸化を考えている場合の入居者募集も含まれます。さらに、相続税対策や固定資産税対策といった専門的なアドバイスも受けられることが多いです。
この方法のメリットは、専門知識を持ったプロがしっかりと管理してくれる点であり、空き家が原因で生じるさまざまなリスクを抑えることができます。ただし、管理会社には料金が発生するため、その費用負担が問題にならないかしっかり検討しましょう。
5.別荘にする
都会の喧騒から離れた自然豊かな地域であれば、休暇時に利用する別荘として最適です。また、建物自体が状態良く、リフォーム等の大規模な修繕が不要な場合も、別荘化に向いています。
一方で、別荘として利用するには定期的なメンテナンスが欠かせません。長期間放置されると、劣化や老朽化が進み、最終的には住むのが困難な状態に陥る可能性があります。
そのため、定期的に訪れることができる距離であること、また、管理会社への委託など、維持管理の手段を確保しておくことが重要です。
6.相続放棄する
相続放棄することで、維持費用や固定資産税などの義務から解放され、金銭的な負担を軽減することが可能です。
しかし、相続放棄は相続人になったと知ってから、3ヶ月以内に手続きをしなければなりません。また、一度相続放棄をした場合、後から「やっぱり相続したい」と思っても取り消すことはできないため注意が必要です。
【相続放棄を選択する際の流れ】
- 相続放棄を決定する
- 法定期間内に家庭裁判所に相続放棄の申し立てをする
- 承認されたら相続放棄が完了する
相続放棄を選択する際は、メリット・デメリットをよく理解し、専門家の意見も求めることが重要です。
実家が空き家でよくある3つの質問
最後に、実家が空き家でよくある質問にお答えします。
- 質問1.実家が空き家になる前にできる対策は?
- 質問2.空き家の実家を相続した際にやるべきことは?
- 質問3.空き家と判断される基準は?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.実家が空き家になる前にできる対策は?
実家が空き家になってしまうのを防止するには、予防策を早期から計画することが大切です。親が健康で元気なうちに、実家を将来どのように管理していくか話し合っておきましょう。
たとえば、二世帯住宅への改築や親の賃貸移住、実家の売却が考えられます。また、実家の相続人についても、複数人いる場合はそれぞれの同意をとっておくと、いざというときにスムーズに手続きができます。
実家の処分に関しては、専門家である不動産会社やフィナンシャルプランナーに相談するのもよいでしょう。売却、賃貸、または解体の各選択肢について、市場の状況や財務的側面から有益なアドバイスを提供してもらえます。
質問2.空き家の実家を相続した際にやるべきことは?
空き家の実家を相続するとなった場合、次のような手続きや対策を行いましょう。
- 専門家への相談:空き家問題はさまざまな法律や税金の問題が絡みます。そのため、まずは専門家(税理士、弁護士、司法書士など)に相談することを推奨します。
- 建物や土地の評価:空き家の現状を確認し、専門家による建物や土地の価値を評価してもらいます。
- 空き家の管理あるいは再活用の計画を立てる:管理会社に委託する、貸し出す、売却するなど、空き家の今後をどうするかを考えます。
以上のような手続きや対策を通じて、空き家となった実家の適切な管理と活用を行いましょう。
質問3.空き家と判断される基準は?
「空き家」とは一般的に使用されていない住宅のことをさしますが、法令上の空き家の定義は「空き家等対策の推進に関する法律」により明確にされています。
具体的には、以下の3つの条件を満たす住宅が空き家とされます。
- 住居として使用されていないこと
- 1年以上使用されていないこと
- 今後も使用予定がないこと
これらの要件を満たす住宅は法的に「空き家」と見なされ、対策が必要とされるケースが多いです。
なお、次のページでは、空き家の定義や所有し続けるリスク、その解決策について紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
関連記事:【プロが教える】空き家の定義とは?所有し続けるリスクや解決策、よくある質問まで解説! | ビリーフ株式会社
まとめ
放置された空き家は、劣化や資産価値の低下、さらには近隣トラブルというリスクをはらんでいます。実家が空き家になってしまう事態に備え、対処法として「売却する」「賃貸に出す」「土地活用する」などの選択肢が考えられます。
事前に家族で実家の将来について話し合い、共通の理解と方針を確立することが重要です。なお「ビリーフ株式会社」は不動産の買取・仲介だけではなく、不動産に関するさまざまなご相談を承っております。
不動産の購入時や売却時のわかりにくい諸費用や流れについても丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。⇒公式LINEアカウントによる不動産のお悩み相談はこちらから