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2023.12.16
【プロが教える】不動産売却に必要な書類は?取得方法や準備するタイミングを徹底解説!
不動産を売却する際、物件情報を伝えるために書類の準備が欠かせません。とくに登記関係の書類は売却において非常に重要な役割を果たします。
そのため、「不動産を売却する」と決めたら、早めに必要書類を揃えておくことが大切です。この記事では、不動産売却に必要な書類や準備するタイミングについて詳しく解説します。
不動産売却における必要書類一覧
不動産売却における必要書類を以下の2つに分けて一覧形式でご紹介します。
- 不動産会社に売却依頼するとき
- 買主に引き渡しをするとき
不動産会社に売却依頼するとき
必要書類 |
一戸建て |
マンション |
登記簿謄本または登記事項証明書 |
○ |
○ |
売買契約書 |
○ |
○ |
重要事項説明書 |
○ |
○ |
登記済権利書または登記識別情報 |
○ |
○ |
土地測量図・境界確認書 |
○ |
ー |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 |
○ |
○ |
物件の図面 |
○ |
○ |
設備の仕様書 |
○ |
○ |
建築確認済証および検査済証 |
○ |
ー |
建築設計図書・工事記録書 |
ー |
▲ |
マンションの管理規約または使用細則 |
ー |
○ |
マンション維持費関連書類 |
ー |
○ |
耐震診断報告書 |
▲ |
▲ |
アスベスト使用調査報告書 |
▲ |
▲ |
※○は必須、▲は任意
不動産売却には、物件の種類ごとに異なる多くの書類が必要です。その中でも重要な書類としては、登記簿謄本や土地測量図が含まれます。
売却プロセスは複数のステップに分かれており、各ステップで必要な書類を事前に確認し、整理しておくことが重要です。これにより、売却手続きがスムーズに進行します。
買主に引き渡しをするとき
必要書類 |
一戸建て |
マンション |
本人確認書類 |
○ |
○ |
実印 |
○ |
○ |
印鑑証明書 |
○ |
○ |
住民票 |
▲ |
▲ |
銀行口座の通帳 |
▲ |
▲ |
ローン残高証明書またはローン返済予定表 |
▲ |
▲ |
物件のパンフレット |
▲ |
▲ |
※○は必須、▲は任意
買主に不動産を引き渡す際には、本人確認書類、実印、印鑑証明書などのさまざまな書類が必要です。また、住民票や銀行口座の通帳、ローン残高証明書も必要な場合があります。
これらの書類を事前に準備しておくことで、売却プロセスを滞りなく進めることが可能です。
不動産売却の必要書類と取得方法
不動産売却の必要書類と取得方法を以下の2つに分けてご紹介します。
- 不動産会社に売却依頼するとき
- 買主に引き渡しをするとき
不動産会社に売却依頼するとき
不動産会社に売却依頼するときに必要となる書類は、以下の通りです。
- 登記簿謄本または登記事項証明書
- 売買契約書
- 物件を購入時の重要事項説明書
- 登記済権利書または登記識別情報
- 土地測量図・境界確認書
- 物件の図面、設備の仕様書
- 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
- 建築確認済証、検査済証
- 建築設計図書、工事記録書
- マンションの管理規約、使用細則、維持費関連書類
- 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
登記簿謄本または登記事項証明書
登記簿謄本と登記事項証明書は、不動産の所有権や権利関係を確認する重要な書類です。法務局で取得可能な登記簿謄本や、コンピュータ処理された登記所から発行される登記事項証明書は、不動産取引の際には欠かせません。
どちらも内容は同じものとなりますが、不動産の正確な情報を伝える上で不可欠な書類です。いずれも法務局にて申請します。
売買契約書
売買契約書は、不動産売却時に買主と締結する法的文書です。書面には、契約日や売買代金、物件の状態・条件などが記載されています。
売却時には、新たに売買契約書を作成しますが、譲渡所得の計算や税務申告に必要となるため、自身が交わした契約書が必要です。売買契約書は、取引の透明性を確保するために欠かせない書類です。
物件を購入時の重要事項説明書
重要事項説明書には、物件の詳細情報や取引条件、周辺環境に関する告知事項が記載されています。この書類は、物件の状況を買主に伝え、誤解やトラブルを防ぐことが目的です。
重要事項説明書の具体的な内容としては、私道の負担や施設の有無、ガスや電気の供給状況、違約金など、売買契約に欠かせない重要な情報が含まれています。
登記済権利書または登記識別情報
登記済権利書や登記識別情報は、不動産の所有者が正式に記録された法的証明書です。2005年の不動産登記法改正により、登記済権利書の代わりに登記識別情報が主に使用されるようになりました。
これらの書類は所有者の権利を証明し、不動産取引の信頼性を高めるために欠かせない重要な書類です。また、登記識別情報はオンライン申請に対応しています。
土地測量図・境界確認書
土地測量図と境界確認書は、土地の面積や境界線の位置を正確に示す書類です。これらは隣接地の所有者との境界問題を防ぐために重要となり、土地や一戸建ての取引において欠かせません。
事前に正確な土地・境界情報を提供することによって、トラブルを未然に予防できます。もしも、境界線が定まっていない場合は、周辺の土地所有者と協議のうえ、境界確認書を作成しておくことをおすすめします。
物件の図面、設備の仕様書
物件の図面や設備の仕様書は、物件の構造や設備の詳細を示す重要な書類です。これらは内覧者や買主に対し、物件の特徴や条件を明確に伝えるために用います。
一般的には、図面や間取り図を掲載した方が物件の魅力をアピールすることが可能です。そのため、内覧件数を増やす効果があります。また、査定額を高めることも期待できます。
固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
固定資産税納税通知書と固定資産税評価証明書は、物件の税務評価を確認するための書類です。これらは不動産の価値や売却価格の設定に影響を与え、また、登録免許税の算出にも使用されます。
固定資産税は、1月1日時点で所有している人に課税されますが、売買されたときは、取得時期に応じて調整され、一部が売主に返金されます。
建築確認済証、検査済証
建築確認済証と検査済証は、物件が建築基準法に基づいて建築されたことを証明する書類です。これらは物件の安全性や品質を示し、買主にとって重要な判断材料となります。
また、シックハウス対策や省エネ基準などの適合情報も含まれます。法が定める基準を満たしている物件であれば、買主も安心して取引に臨むことが可能です。
建築設計図書、工事記録書
建築設計図書と工事記録書は、物件の設計や施工に関する詳細情報を記録した書類です。将来的なリフォームや改修の際に役立つ情報源となり、物件の構造に関する貴重な情報を提供します。
また、床や壁の構造や耐震性など、物件の強度を証明する書類ともいえます。
マンションの管理規約、使用細則、維持費関連書類
マンション売却には、管理規約、使用細則、維持費関連書類などが欠かせません。これらはマンションの管理体制やルール、ペットの飼育可否、修繕積立金など、購入者が知るべき重要な情報を含んでいます。
とくに、管理費と修繕積立金は将来にわたり買主が負担する費用です。これらの金額は購入の決定要素ともなり得ます。また、適切な管理状況の把握にも役立てることが可能です。
耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
耐震診断報告書とアスベスト使用調査報告書は、物件の安全性を評価するための書類です。とくに、新耐震基準導入前の中古物件では、これらの報告書の提出が求められる場合があります。
また、これらの書類は、依頼する前にすべてをそろえる必要はありません。一般的には、査定依頼を申し込む際、不動産会社から必要書類に関する説明があるため、それから準備すれば間に合います。
買主に引き渡しをするとき
買主に引き渡しをするときに必要となる書類は、以下の通りです。
- 本人確認書類
- 住民票
- 実印・印鑑証明書
- 鍵
- 銀行口座の通帳
- ローン残高証明書、ローン返済予定表
- 物件購入時のパンフレットなど
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
本人確認書類
不動産売却時には売主の本人確認が欠かせません。そのため、顔写真付きの公的な書類が必要です。一般的な本人確認書類には、以下のようなものが挙げられます。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
これらの書類は売主の身元を正確に証明するために不可欠です。取引の透明性を保証する役割を果たします。
住民票
売却プロセスにおいて、売主の現住所と登記上の住所が異なる場合、住民票の提出が求められます。このときに有効な住民票は発行から3ヶ月以内のものとなっており、市区町村の役場やマイナンバーカードを所有している方はコンビニエンスストアでも取得可能です。
住民票は、印鑑証明書と登記簿上の住所を照合するために使われます。
実印・印鑑証明書
不動産売却には実印と印鑑証明書が必要です。あらかじめ印鑑登録を済ませておく必要があるため、忘れないようにしてください。また、こちらについても発行から3カ月以内のものが有効とされています。
もしも、物件の所有者が複数いる場合は、全員分の書類が必要となるため、遠方に住む所有者の場合は早めに準備するようにしてください。
鍵
売却が完了してすべての手続きが終了したら、売主は買主に鍵一式を渡します。これには、玄関や物置、駐車場の鍵が含まれています。さらに、宅配ボックスやポストの暗証番号も伝えなければなりません。
もしも、鍵を紛失している場合は、不動産会社から渡される書類にその旨を記してください。一般的には契約成立後、鍵を交換しますが、すべての鍵を引き渡すことが原則です。
銀行口座の通帳
売却代金の取引は通常銀行振り込みで行われるため、売主は自身の銀行口座情報を買主に提供する必要があります。
銀行口座の通帳には支店番号や口座番号を記載し、買主に伝えることで、取引の進行をスムーズにします。ローン残債がある場合は、その返済口座の情報も必要です。
ローン残高証明書、ローン返済予定表
住宅ローンの残債がある場合、ローン残高証明書やローン返済予定表の提出が求められます。これらの書類は、売却による住宅ローンの完済を証明し、抵当権を抹消するために必要です。
住宅ローンが残った状態では売却できないため、物件を売って得たお金や貯金で完済します。さらに、売却価格の設定や不動産会社への情報提供にも利用できます。
物件購入時のパンフレットなど
一戸建てやマンション購入時に受け取ったパンフレットは、売却時に買主に提供する有用な資料です。
これらのパンフレットには物件の特長や魅力が詳細に記載されており、買主にとって価値ある情報源となります。そのため、売却時には可能な限りそろえておくようにしてください。
不動産売却時の書類を準備するタイミング
不動産売却時の書類を準備するタイミングには、以下の2つが挙げられます。
- 査定依頼前
- 媒介契約前
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
査定依頼前
不動産売却の際、査定を依頼する前に準備する重要な書類には登記済権利書、物件の図面、土地測量図、固定資産税納税通知書などがあります。
これらの書類は物件の正確な情報提供や市場相場の把握に不可欠で、適切な査定額を得るために重要です。事前の準備により、査定プロセスがスムーズに進行し、正確な価格設定に役立ちます。
媒介契約前
不動産の媒介契約を結ぶ前には、本人確認書類、印鑑証明、一戸建て住宅の場合の建築確認済証、マンションの管理規約や使用細則、維持費関連書類、建築設計図書、工事記録書、耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書、ローン残高証明書、返済予定表などの準備が必要です。
これらの書類は、広告作成や販売活動の効果的な準備に役立ち、売却プロセスの成功に貢献します。
不動産 売却 必要書類でよくある3つの質問
不動産 売却 必要書類でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.不動産売却後の確定申告で必要な書類は?
- 質問2.不動産売却にかかる税金とは?
- 質問3.不動産売却はいつが良い?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.不動産売却後の確定申告で必要な書類は?
不動産売却後の確定申告には、税務署から入手する確定申告書B、確定申告書第三表、確定申告書付表兼計算明細書などが必要です。
また、住民票、売却時および購入時の売買契約書のコピー、仲介手数料や印紙税の領収書、建築当時の請負契約書(注文住宅の場合)なども用意しなければなりません。さらに、特例の利用に必要な書類も確認しておきましょう。
なお、次のページでも、確定申告に関する内容を解説しています。あわせて参考にしてみてください。
関連記事:不動産売却の利益は年末調整が必要?流れや必要書類、計算方法、よくある質問をわかりやすく解説!
質問2.不動産売却にかかる税金とは?
不動産売却にかかる税金には、譲渡所得税(所得税・住民税)、登録免許税、印紙税、消費税があります。
譲渡所得税は売却益が生じた場合に必要です。また、税率は保有期間や物件種別によって異なりますが、短期譲渡所得の場合の税率は39.63%、長期譲渡所得では20.315%です。
登録免許税は、不動産取引や会社登記時に発生し、所有権移転登記に関連して支払います。印紙税は、不動産の売買契約書にかかる税金で、契約金額に応じて税額が決まります。軽減税率の適用も可能です。
不動産売却益に生じる税金については、次のページを参考にしてみてください。
関連記事:不動産売却にかかる税金の計算方法|譲渡所得の控除制度や節税ポイントをわかりやすく解説!
質問3.不動産売却はいつが良い?
不動産売却の最適なタイミングは、季節、築年数、税金、住宅ローン金利、ライフスタイルの変化、および不動産価格相場の変化によって決まります。売却に適したタイミングは以下の通りです。
- 季節:1〜3月と10月
- 築年数:戸建15年・マンション10年以内
また、不動産価格相場は市場動向により変動し、ピーク時の売却が最大限の利益を得るための鍵となります。経済状況や社会情勢によって不動産価格は変動するため、市場動向を理解することが重要です。
不動産売却のタイミングについて、次のページでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:不動産売却のタイミングはいつが良い?高く売るための判断基準やコツを詳しく解説
まとめ
不動産売却時には、物件の正確な情報を伝えるためにあらゆる書類が必要です。とくに、登記関係の書類は重要となり、売却をスムーズに進めるには、これらの書類を早期に準備するように心がけてください。
売却のステップごとに必要な書類とその取得方法を知ることで、売却手続きを進行しやすくなります。ぜひ、この記事をチェックして必要となる書類の準備を始めてみてください。
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