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2023.11.18
不動産売却にかかる経費とは?費用一覧や税金控除、よくある質問まで徹底解説!
「マイホームを売りたいけど、どれくらいのお金がかかるの?」このようにお悩みの方は少なくありません。不動産の売却経費を知ることは、節税にもつながる重要なポイントです。
この記事では、不動産売却に関わる経費や節税につながる控除、よくある質問まで詳しく解説します。正しい知識を得て、節税したい方はぜひ参考にしてみてください。
不動産売却で経費の計上が重要な理由
不動産売却で経費の計上が重要となる理由は、税金を減らすことにつながるからです。不動産を売却した際、発生した譲渡所得には課税されます。
譲渡所得が増えることは課税額の増加を意味するため、課税譲渡所得額を低く算出すると節税につながります。譲渡所得を抑えるには、取得費となる土地や建物の購入代金、仲介手数料、設備費、改良費、維持管理費などを漏れなく計上することが重要です。
不動産売却にかかる経費一覧
不動産売却にかかる経費には、以下のようなものが挙げられます。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 譲渡所得税と住民税
- 抵当権抹消費用
- 住宅ローン返済手数料
- その他の費用
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.仲介手数料
仲介手数料は売買契約が成立した際に支払います。仲介手数料は、不動産業者が物件を販売するためにかかった経費や報酬として発生しますが、成功報酬となることから物件が売れた場合にのみ発生します。
手数料は、売却額に応じた上限額が設定されており、一般的な計算式は以下の通りです。
- 売却額 × 3% + 6万円 + 消費税
たとえば、3000万円の不動産を売却した場合の手数料は約105.6万円が上限額と定められています。また、特別な広告宣伝や出張交渉、荷物保管などは仲介手数料に含まれず、別途請求されることもあります。
不動産売却の手数料に関することは、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:不動産の売却にかかる仲介手数料とは?相場や計算方法をわかりやすく解説!
2.印紙税
印紙税は、不動産売買契約書に印紙を貼り、消印することで納税したことになります。印紙税額は、契約書に記載されている額に応じて定められています。
印紙税を納付しなかった場合、未納税額の3倍の過怠税が徴収されるため、注意が必要です。
また、令和4年3月31日までの軽減税率が適用されており、例を挙げると、3000万円の不動産売買契約書の場合、1万円の印紙を貼付します。
参照:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
3.譲渡所得税と住民税
不動産売却時の譲渡所得税は、不動産を売却した際に得た利益に対して課される税金です。譲渡所得税には、所得税と住民税が含まれます。それぞれの税額は以下の計算式で求められます。
- 譲渡所得 = 売却額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除
- 税額 = 課税譲渡所得 × 税率
税金の計算は、売却によって得た利益に対して行われるため、取得費や譲渡費用を正確に計上することによって節税につながります。また、譲渡所得が発生しなければ税金も発生しません。
不動産の売却益にかかる税金や計算方法に関する情報は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:不動産売却にかかる税金の計算方法|譲渡所得の控除制度や節税ポイントをわかりやすく解説!
取得費と譲渡費用に含められる経費
取得費と譲渡費用に含められる経費は、以下の表を参考にしてみてください。
取得費に含められる費用 |
譲渡費用に含められる費用 |
土地・建物の購入代金 |
仲介手数料 |
建築代金 |
印紙税 |
購入時にかかった税金 |
売却時の建物の取り壊し費用 |
仲介手数料 |
測量費 |
設備費や改良費 |
貸家の売却に際して支払った立退料 |
不動産の購入費用は売買契約書や領収書から判断されます。また、支払い計画書などでは取得額と認められません。
もしも、領収書がない場合は譲渡価格の5%をみなし取得費として計算します。
取得費と譲渡費用に含められない経費
取得費と譲渡費用に含められない経費は、以下の表を参考にしてみてください。
取得費に含められない費用 |
譲渡費用に含められない費用 |
つなぎローンの金利 |
抵当権抹消登記費用 |
つなぎローンの事務手数料 |
相続登記費用 |
管理準備金・管理費・修繕積立金など |
建物の修繕費用 |
火災保険料 |
固定資産税 |
家電・家具・カーテン代など |
税理士への報酬 |
これらの費用は「直接不動産の取得に関係ないもの」として扱われます。不明点があれば専門家に相談のうえ判断してください。
4.抵当権抹消費用
不動産売却時にローンが完済されていれば、抵当権抹消登記が必要です。これは登記簿上の抵当権を抹消する手続きとなり、費用は1筆あたりの抵当権抹消登記費用に1,000円かかります。
自己手続きも可能ですが、必要となる書類の準備や事務作業が複雑なため、一般的には司法書士へ依頼します。報酬相場は1〜2万円程度です。
5.住宅ローン返済手数料
住宅ローンが残っている場合、一括返済する必要があります。住宅ローン返済中の不動産には抵当権が登記されており、売却するにはこの抵当権を外さなければなりません。
返済手数料は金融機関に支払います。手数料の額は金融機関によって異なりますが、目安としては2〜5万円程度が必要です。一般的に一括返済手数料は一部繰上返済手数料よりも高く設定されています。
6.その他の費用
不動産売却に関連する費用としては、その他にも数多く発生します。主に支払う費用は以下の通りです。
- ハウスクリーニング費用:広さや状態によるが、約3万~10万円程度が必要
- 測量費用:売却後のトラブルを防ぐために実施する。費用は30万円~100万円が相場
- 解体費用:解体費用は建物の構造によって異なる
- 家財等の処分費用:一戸建ての処分費用は15万~50万円程度が相場
- 引っ越し費用:費用は時期や移動距離、荷物の量によって異なる
節税につながる3つの税金控除
節税につながる税金控除には、以下の3つが挙げられます。
- 3000万円特別控除の適用
- 10年超所有軽減税率の適用
- 損益通算と繰越控除の適用
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.3000万円特別控除の適用
不動産売却時には、譲渡所得に対して譲渡所得税と住民税がかかります。そのため、マイホーム売却時には、3000万円特別控除の適用を検討することが一般的です。
控除の適用には条件がありますが、満たしている場合最大3000万円までの所得が非課税となります。
また、マイホーム売却時に特定居住用財産の買換え特例を活用できる場合もあります。この特例は課税を繰り延べるものとなり、3000万円特別控除とは併用できない点に注意が必要です。
不動産売却における3000万円控除に関することは、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:不動産売却における3,000万円控除とは?適用要件や必要書類について徹底解説!
2.10年超所有軽減税率の適用
売却するマイホームが10年を超えている場合、10年超所有軽減税率が適用されます。この特例を受けるには、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることが条件です。
また、前年・前々年にこの特例を受けていない、親子や夫婦間の売買でないことなども条件として挙げられます。しかし、軽減税率特例は「特定居住用財産の買い換え特例」と併用できないことに注意が必要です。
3.損益通算と繰越控除の適用
マイホームの買い替えに伴う不動産売却時に、損失が発生した場合は損益通算と繰越控除の適用が可能です。不動産売却で損失が発生した場合、確定申告により損失分をほかの所得から差し引きできます。
損益通算することによって所得総額が減少するため、節税につながります。また、翌年の所得から損失分を控除しきれなかった場合、残った損失額を次の年から3年間に渡って繰り越し可能です。
控除適用の条件には、以下のようなものが挙げられます。
- 居住用の不動産である
- 居住しなくなってから3年以内である
- 譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている
- 売却した年の12月31日時点で新たに購入したマイホームの住宅ローンが10年以上残っている
不動産の売却経費に関するよくある3つの質問
不動産の売却経費に関するよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 質問1.不動産売却に課せられる税金と譲渡所得の関係性とは?
- 質問2.不動産売却後に確定申告は必要?
- 質問3.不動産売却はどこに依頼すればいい?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
質問1.不動産売却に課せられる税金と譲渡所得の関係性とは?
成約価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額(譲渡所得)に対して税金が課せられます。そのため、不動産売却の税金は、成約価格に直接かかるわけではないことがポイントです。
成約価格から取得費と譲渡費用を差し引き、残った部分が売却益です。また、制約した金額から上記の費用を差し引きし、譲渡所得がマイナスとなった場合は税金を支払う必要はありません。
質問2.不動産売却後に確定申告は必要?
不動産売却後に利益が出た場合は、確定申告が必要です。譲渡所得税は譲渡所得に応じてかかるため、適切な税額を計算し、期限内に納税しなければなりません。
また、譲渡所得がマイナスの場合においても確定申告しなければ、損益通算や繰越控除を受けられません。
さらに、注意点としては税額の計算は自分でしなければならないことが挙げられます。間違いを避けるため税理士への相談・依頼を検討することをおすすめします。
不動産の売却相談に関することは、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【プロが教える】不動産売却の悩みはどこに相談すればいい?内容別に専門家を詳しく解説!
質問3.不動産売却はどこに依頼すればいい?
不動産売却を依頼する場合、以下のような特徴がある不動産業者へ相談することをおすすめします。
- 売却エリアの情報をよく知っている
- 実績が豊富にある
- 査定額の根拠が明確にある
- 担当者が親身に対応してくれる
- 行政処分歴に問題がない
- インターネット広告に力を入れている
これらの特徴がある不動産業者から、自分にあった不動産会社を見つけることが重要です。不動産売却にお悩みの方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【プロが教える】不動産売却はどこがいい?特徴や信頼できる業者選びのポイントを徹底解説!
まとめ
不動産売却における経費について解説しました。不動産を売却した際、発生した利益に対して課税されます。しかし、適切に経費計上することによって、節税効果を得ることが可能です。
この記事では、不動産売却にかかる経費をそれぞれに分けて解説しましたので、事前に把握したうえで売却益から差し引くようにしてください。また、不動産の売却経費に関するよくある質問もご紹介しましたので、ぜひ参考にしたうえで賢く節税につなげてみましょう。
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