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2024.08.19
所有権移転登記にかかる3つの費用|費用を安く抑える方法や手続きの流れを徹底解説!
所有権移転登記を検討している方で、登記費用がどのくらい必要なのか知りたい方もおられるのではないでしょうか。必要な費用や手続きを理解しておけば、スムーズに手続きが進められます。
本記事では、所有権移転登記にかかる3つの費用や費用を安く抑える方法、手続きの流れをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
所有権移転登記とは?
不動産の所有権移転登記は、不動産の所有権の移転を公的に記録するための手続きです。この登記により、土地や建物の所有者が誰であるかが法的に明確にされます。
不動産を売買や贈与、相続した場合には、所有権の変更が生じるため、法務局での手続きが不可欠です。所有権移転登記の手続きをしていない場合、所有権を主張するのが難しくなり、トラブルの原因となる可能性があります。
所有権移転登記が必要なケース
次は、所有権移転登記が必要なケースについて解説します。
- 不動産を売買した場合
- 不動産を相続した場合
- 不動産を贈与した場合
- 離婚で財産分与する場合
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.不動産を売買した場合
不動産の売買において、売主から買主への所有権の移転を確実にするためには、所有権移転登記が必要です。この手続きは、一般的に司法書士が代理で手続きをして、費用は買主が負担します。
また、売買契約が締結されてから約1か月後の引渡し日に、法務局で登記の手続きをする場合が多いです。これにより、法的にも所有権が正式に買主へ移っているか確認できます。
2.不動産を相続した場合
2024年4月1日から、不動産の相続による「相続登記」が義務化されています。相続によって取得した不動産については、遺言書や遺産分割協議にもとづいて所有権移転の手続きをしなければなりません。
この相続登記は、相続を知った日から3年以内に手続きが必要です。また、登記を怠った場合、所有者不明の土地として扱われる可能性があるため、相続が発生した際には早めに手続きを進めましょう。
なお、家の名義変更については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】家の名義変更とは?手続きの流れや必要書類、費用について徹底解説! | ビリーフ株式会社
3.不動産を贈与した場合
不動産の生前贈与を受けた場合、必ず所有権移転登記の手続きをしましょう。これを怠ると、贈与者が亡くなった際に、所有権を証明できないため、ほかの親族と遺産の分配に関する問題が生じる可能性があります。
また、口約束だけでなく、贈与契約書を作成して、所有権移転登記の手続きを進めれば、将来的なトラブルを避けられます。
4.離婚で財産分与する場合
離婚によって財産分与する際は、不動産の名義変更が必要です。たとえば、夫婦で共有していた自宅を一方の単独名義にする場合、所有権移転登記が求められます。
また、共有持分の変更がある場合は持分移転登記の手続きが必須です。これらの手続きには当事者全員の同意が必要で、時間が経つと協力が得られない場合があるため、早めに対応するのがおすすめです。
所有権移転登記にかかる3つの費用
次は、所有権移転登記にかかる費用について解説します。
- 登録免許税
- 司法書士報酬
- その他の実費
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
登録免許税
登録免許税は、土地や建物の固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算されます。税率は、所有権が移転する理由によって異なり、売買や相続、贈与などの場合でそれぞれ異なる税率が適用されます。
なお、税率については、以下のとおりです。
理由 |
土地の税率 |
建物の税率 |
売買 |
2% (令和8年3月31日までは1.5%) |
2% (令和6年3月31日までは0.3%) |
相続 |
0.4% |
0.4% |
贈与 |
2% |
2% |
競売 |
2% |
2% |
たとえば、土地の売買においては、2%の税率が適用されますが、2026年3月31日までの登記に限り、軽減措置として適用される税率は1.5%です。また、建物についても、所有権の移転原因や軽減措置により税率が変わります。
司法書士報酬
司法書士へ所有権移転登記手続きを依頼する際には、司法書士報酬が必要です。この報酬は、依頼する内容や地域により異なり、一般的には数万〜5万円程度が相場です。
相続に関する手続きでは、関与する人数が多いほど手間が増えるため、報酬が高くなる傾向にあります。日本司法書士連合会は、これらの報酬額についてガイドラインを設けていますが、実際の金額は事案ごとに異なります。
その他の実費
所有権移転登記に関する手続きの実費には、収入印紙代や必要書類の取得費用、郵送料、交通費などが含まれます。これらの費用は1万円~2万円程度が一般的な目安です。
また、手続きにかかる費用は細々としたものも多いため、事前にどのような費用が発生するかを確認しておきましょう。これにより、予想外の出費を避けられます。
所有権移転登記の費用を安く抑える方法は3つ
次は、所有権移転登記の費用を安く抑える方法について解説します。
- 自分で手続きする
- 複数の見積もりを取る
- 経費として計上する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.自分で手続きする
所有権移転登記を行う際に、司法書士に依頼せずに自分で手続きをすれば、司法書士への報酬を節約できます。しかし、住宅ローンの借入における不動産売買は、金融機関の要求により、専門家への依頼が求められるのが一般的です。
また、登記手続きには多くの時間と労力がかかるため、手続きの迅速さや正確さを重視する方は、司法書士に依頼するようにしましょう。
2.複数の見積もりを取る
司法書士に所有権移転登記の手続きを依頼する際は、異なる司法書士事務所から複数の見積もりを取得するのがおすすめです。司法書士の報酬は事務所ごとに異なり、料金に差があるため、比較する必要があります。
さらに、登記手続きについての不安や適切な司法書士の選び方についての疑問がある場合は、不動産会社に相談するのもおすすめです。不動産会社は登記の代行はしていませんが、専門知識を活かしたアドバイスを提供してくれます。
3.経費として計上する
居住用ではなく、業務用不動産に関連する費用は、経費として計上可能です。たとえば、所有権移転に伴う登録免許税や固定資産税、不動産取得税などがあげられます。
これらの費用は、仕訳して計上すれば、確定申告では控除の対象です。また、売却益が発生した場合、譲渡所得税が課されるため、その計算の際に登記免許税は取得費として考慮できます。
所有権移転登記の手続きの流れ
次は、所有権移転登記の手続きの流れについて解説します。
- ステップ1.書類の作成
- ステップ2.法務局への書類提出
- ステップ3.審査
- ステップ4.登記事項証明書を受け取る
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1.書類の作成
所有権移転登記の手続きをするには、登記申請書を作成しましょう。登記申請書は、法務局にて入手可能で、正確に記入する必要があります。
自分で手続きをする場合、法務局で事前に申請書の内容をチェックしてもらうと安心です。司法書士に依頼せずに手続きを進める場合、申請書の作成後は抜けや誤字などがないか確認して、登記原因証明情報や印鑑証明書などを必要書類を揃えます。
ステップ2.法務局への書類提出
登記申請書と必要書類を用意し、管轄の法務局をホームページで調べて提出しましょう。提出方法は、持参や郵送、オンラインのいずれかから選べます。
書類提出後、法務局で書類の確認と審査が実施されます。しかし、不備がある場合は、修正や再提出が求められる可能性があるため、提出前に書類の不備がないか確認しておくことが大切です。
ステップ3.審査
登記申請書と必要書類が法務局に提出されると、所有権移転の審査が開始されます。申請書の内容や添付書類に不備があった場合、修正や再提出を求められる可能性があります。
これにより、手続きが遅れる可能性があるため、正確に記入し、必要な書類をすべて揃えておくことが大切です。提出前に書類の確認を怠らないようにしましょう。
ステップ4.登記事項証明書を受け取る
所有権移転登記の手続きが進むと、最終的に登記完了証が発行されて、所有権移転登記は正式に完了します。申請から登記完了までには、1週間〜2週間程度かかるのが一般的です。
また、完了通知を受けたら、登記事項証明書を取得するために必要な手続きをしましょう。証明書は、郵送で受け取れますが、登記所の窓口や法務局証明サービスセンターの窓口でも可能です。
所有権移転登記費用でよくある3つの質問
最後に、所有権移転登記費用でよくある質問について解説します。
- 質問1.所有権移転登記は誰がするべき?
- 質問2.所有権移転登記をしない場合はどうなる?
- 質問3.所有権移転登記を自分でやる場合の注意点は?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.所有権移転登記は誰がするべき?
不動産登記法第60条では、登記権利者と登記義務者が共同で手続きをしなければならないと定められています。この規定は、所有権移転登記の仮申請を防ぐのが目的です。
しかし、実務では登記権利者が登記義務者の代理人として手続きを進めるのが一般的です。登記は本人でも手続きできますが、手続きの煩雑さを考慮して、専門の司法書士に依頼するようにしましょう。
質問2.所有権移転登記をしない場合はどうなる?
民法では、不動産の所有権を主張するためには登記が必要で、第三者に対抗できないとされています。たとえば、売主Aが買主BとCに同じ不動産を売却しようとした場合、Bが先に契約を結んでいても、Cが先に登記を行えばCが優先されます。
また、売主Aが所有権移転前に金融機関からお金を借りるために、不動産へ抵当権を設定している場合、買主は抵当権付きの不動産を購入しなければなりません。さらに、ローンの滞納により、金融機関が競売にかけてしまえば、買主は所有権を失う可能性があります。
質問3.所有権移転登記を自分でやる場合の注意点は?
所有権の移転登記に必要な書類には、売買契約書や権利証などの大切な書類が多く含まれており、慎重に保管する必要があります。権利証を紛失した場合、再発行には数万円単位で費用がかかる可能性があります。
さらに、売買契約書の再発行はできないため、大切な書類は銀行の貸金庫に保管するのがおすすめです。これらの書類の取り扱いには十分に注意し、紛失しないように慎重に取り扱いましょう。
なお、家の権利書をなくした場合の対処方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】家の権利書をなくしたらどうなる?再発行の可否や紛失した際の対処法を徹底解説!
まとめ
本記事では、所有権移転登記にかかる3つの費用や費用を安く抑える方法、手続きの流れをご紹介しました。
所有権移転登記とは、不動産の所有者が変わった際に所有権を公的に記録する手続きです。この手続きは、不動産の売買や相続、贈与、離婚による財産分与の際に必要です。
所有権移転登記の費用として、登記免許税があり、土地や建物の固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算されます。さらに、収入印紙代や必要書類の取得費用、郵送料、交通費などその他の実費と司法書士報酬の費用が欠かせません。
しかし、自分で手続きをしたり、複数の司法書士から見積もりを取って比較したりして、費用を抑える方法があります。また、業務用不動産に関連する費用は、経費として計上が可能で、確定申告では控除の対象です。
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